日経メディカルのロゴ画像

第3回
心房細動を見ずして心房細動患者を診よ!

2008/07/08

図1 Framingham 研究における年間死亡率

 心房細動のある患者さんは、洞調律の患者さんに比べて予後が悪い。だから、心房細動の患者さんを初めて診たとき、早くどうにかしなければという思いに駆られるのは当然のことと思います。実際、Framingham studyという世界的に有名な前向きコホート研究の結果によれば、心房細動例では洞調律例より死亡率が高く、男女とも高齢になればなるほど死亡率が高くなることがわかっています(図1)1)

 しかし、このような加齢に伴う死亡率の上昇は、必ずしもすべて心房細動自体が寄与しているものではないことに注意する必要があります。前回、心房細動のある患者さんは多種多様であると述べました。多くの患者さんが、心不全、高血圧、糖尿病、脳梗塞の既往などさまざまな背景因子を単独あるいは複数合併していますが、むしろ、それら背景因子の方が予後に強い影響を及ぼしていることが少なくないのです。

著者プロフィール

山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介

山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。

この記事を読んでいる人におすすめ