いま先進諸国では、心房細動の患者さんが爆発的に増加しています。例えば、米国では1960年代に比べると、各年齢層ともその罹患率は倍以上に増えています1)。米国では、いまや4人に1人が一生の間に罹患する病気といわれています。
さらに、この心房細動は不整脈自体として問題になるだけでなく、この疾患によって心原性脳梗塞発生の危険性の増大が心配されています。疫学上、弁膜症を有しない心房細動患者においてさえ、年間3~9%に脳塞栓を発症し2)、生涯発症危険率は36%にも上るといわれています3)。
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著者プロフィール
山下武志(心臓血管研究所所長・付属病院院長)やました たけし氏。1986年東大卒。同大第二内科に入局。阪大第二薬理学、東大循環器内科助手などを経て、2000年から心臓血管研究所第三研究部長、2011年から現職。不整脈診療の第一人者であるとともに、分かりやすい著書や講演でも名をはせる。

連載の紹介
山下武志の心房細動塾
不整脈の診療に造詣の深い山下武志氏が、自身の経験と最近充実してきたエビデンスを踏まえ、心房細動診療の最新の考え方と実践例を紹介する。同氏が提唱する「3ステップ」や「洞調律への復帰をあせるべからず」「患者満足度の重視」という視点は、心房細動を診るすべての臨床医が傾聴すべき真実を含んでいる。
この連載のバックナンバー
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2012/11/06
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