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プレゼンテーション成功のために「今からでもできるコツ」

2013/02/08

 前回はプレゼンテーションを成功させる3要素として構成(Structure)、ビジュアル(Visual)、伝え方(Delivery)を取り上げましたが、今回は上手なプレゼンを目指すために「今からでもできるコツ」をみてみましょう。

会場分析・聴衆分析
 上手なプレゼンテーションをするためにはまず「準備」が必要です。準備には、スライド作成以前に会場分析、聴衆分析が含まれます。あなたがプレゼンをするのはどのような会場で、どんな聴衆が聴きに来るのか。同じ分野の専門家なのか、一般的な人も聴きに来られるのか。それによってプレゼンの専門性を調節しなくてはなりません。会場は広いのか狭いのか、明るいのか暗いのか、スクリーンの大きさは、音響はなどチェックしておきたいことはたくさんあります。

ブレーンストーミング
 プレゼン作成にはブレインストーミング(論理の組み立て)が重要です。まず、トピックに関連して頭に浮かぶものを何でも書き出します。それらを絞り込みストーリー順に並べます。内容が聴衆にマッチしているかを確かめ、補強材料で補強します。これを下記のように5つのパートに分け、スライドにします。スライドの枚数は1枚で1分を目安としますが、英語の場合は話すのに思っているより時間がかかることがありますので、8割くらいの枚数にしましょう。たとえば15分のプレゼンなら12枚から15枚のスライドを用意するということです。 

Outline
Introduction
Body
Conclusion
Summary


 Question & Answerは「隠しスライド」としてデータを持っておくと、いざという時に見せることができて安心です。

 また、最後のスライドにはThank youと書くより、自分のコンタクトインフォ(email addressなど)を書く方が意味があります。

アイコンタクト
 ここで日本人が特に苦手とするアイコンタクトについて話しておきましょう。最近の若い人はさすがにそんなこともありませんが、一昔前は目をまともに見るのは失礼だと教えられたこともあり、いまだに目をじっと見て話すのが苦手な人はたくさんいます。

 しかし、欧米のカリスマとされる人、たとえば白熱教室で有名なサンデル教授などは学生の目をじっと見て「君はどう思う?」と問いかけます。その目で聞かれた学生は逃れることができず、知恵を振り絞って答えを出そうとします。そしてその応答に会場にいるすべての人の目は釘付けになるのです。すなわちアイコンタクトは向かい合った二人の人のみならず、それを見る会場の人をも引き付ける力を持っているのです。

 ですから、プレゼンテーションをする時にも会場中をざっと見回すよりも、何人かの人に焦点を定めてその人を見ながら話しかけるように話す方が会場全体の人の注意を引き、説得できるのです。この関係を図で表すと下図1のようになります。

著者プロフィール

森村久美子(東京大学大学院工学系研究科准教授)もりむらくみこ氏。大阪大学卒業後、日本航空に勤務。よみうり文化センター、横浜YMCAなどで英語教師を勤めた後、7年間の渡米生活を経て2000年に東京大学大学院に入学。2006年に同大学大学院工学系研究科講師、2011年より現職。

連載の紹介

ワンランク上の英語発表を目指して(入門編)
国内学会においても、研究成果を英語で発表する機会が増えています。「使える理系英語の教科書」の著者である森村久美子氏が、科学技術英語の特徴を解説しながら、ライティング、プレゼンテーション、ディスカッションの各場面において、ワンランク上の英語発表を目指して取り組むべき基本をまとめます。

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