
三密回避を呼びかける厚生労働省のポスター
緊急事態宣言が1月8日付で発出されてから原稿執筆時点で10日が経過しているが、今でも重症者数は増える一方で、大都市圏では医療崩壊が起きているとの報道も相次ぐ[1, 2]。今の国のやり方には欠陥があるのではないかと、個人的には思っている。他の主要国は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し処罰のある国家封鎖で対処しているのに対し、日本の非常事態宣言は外出禁止令ですらない。
どれだけ素早く徹底した封鎖ができたかが、その後の早期の回復につながることを、我々は昨年の台湾やシンガポール、ベトナムなどの実績で見せつけられた[3]。「8割おじさん」と呼ばれている京都大学医学部環境衛生学教授の西浦博氏は、規制の効果が軽度であれば、今回も宣言解除から2カ月程度で感染は再拡大してしまうとの試算を示している[4]。本来の封鎖・ロックダウンとは、全ての商業・産業施設、そして学校はもちろん、交通も遮断し、違反者には罰則を科すというものだ。