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COVID-19と循環器疾患
これだけ違う、パンデミック下のSTEMI治療指針
日米欧の一時的指針・ガイダンスの比較

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は血栓塞栓症ではないか」との議論がある[1]。オランダ・ライデン大学など3施設による合同報告では、標準的血栓予防薬投与下においてもICU入院症例の31%に血栓塞栓性イベントを認め、内訳では急性肺塞栓症が最も多く81%を占めたという[2]。COVID-19誘発の心筋梗塞については、通常(血流需給バランスの破綻で生ずる)タイプ2が主体であり、再灌流療法の有用性は限定的であるとされている[3]。周皮細胞に強く発現するACE2と関連する微小循環の炎症と機能不全が、動脈の閉塞を認めない心筋梗塞に寄与している可能性が指摘されている[3]。

 COVID-19流行期にタイプ1心筋梗塞、つまり再灌流療法が必要な心筋梗塞患者が来院した場合、医療機関ではどう対処すべきか。この問題については、本邦も含めて各国の循環器系学会が提言やガイダンスを発表している。同じ方向を向きながらも国や組織によって視点の違いがあり、大変興味深い。以下に簡単に紹介する。

著者プロフィール

駒村 和雄(国際医療福祉大学熱海病院)こまむらかずお氏。1956年生まれ。東京大学経済学部・大阪大学医学部卒。大阪警察病院、ハーバード大学留学などを経て95年から国立循環器病センター。98年、同センター研究所室長。2008年、兵庫医療大学教授。2009年、武田薬品中央総括産業医。2016年、神戸学院大学教授。2018年、国際医療福祉大学熱海病院 病院教授、兵庫医科大学非常勤講師および横浜市立大学客員教授。

連載の紹介

駒村和雄の「健康寿命で行こう」
2009年にNMO循環器プレミアムのコラムとしてスタートした「論説・総説を読む」が、バージョンアップしました。国立循環器病センターで重症心不全の臨床に長年携わり、ACCやAHAのフェローを務める駒村氏。同氏が現在かかわっている医療系教育研究や高齢者医療の現場から、今、わが国の第一線の医療現場で問題となっている話題を幅広く取り上げ、Evidence Basedで論じます。

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