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本当は怖い診療ガイドライン(1)
心房細動の電気的除細動後に脳梗塞発症
注意義務違反の判決額は7900万円

2018/01/17
心房細動の電気的除細動後に脳梗塞発症の画像

 ガイドラインを引用する訴訟が急増しているという(特集◎医療訴訟の落とし穴、インタビュー◎桑原博道氏、日経メディカル Online、2017/8/16)。今回は、岐阜地方裁判所で2009年6月18日に判決された「平成17年(ワ)第114号損害賠償請求事件」を材料として、抗凝固療法に関連するガイドラインを見直してみたい。

 事案の概略を示す。2003年10月29日、A病院で心房細動と診断された男性(当時54歳)が、精査のため入院した。胸部単純X線写真上の著明な肺うっ血と心嚢液貯留、左室駆出率(EF)24%から、重症心不全と診断された。入院時の収縮期血圧は160~171mmHg、左房径(LAD)53mm、心拍数68回/分だった。同日にはヘパリンが、翌30日にはワルファリンが投与された(投与量不明)。

 11月4日、主治医のB医師は、心房細動に対し電気的除細動を行うことについて、患者から同意を得た。翌5日、肺うっ血は改善したが、心房細動は持続し、EF 21%、LAD 50mm、左室拡張末期径64mm、心拍数78回/分で、拡張型心筋症と診断された。患者のPT-INRは、入院日の10月29日が1.15、11月4日1.14、6日1.15だった。

 11月7日に経食道心エコ

著者プロフィール

駒村 和雄(国際医療福祉大学熱海病院)こまむらかずお氏。1956年生まれ。東京大学経済学部・大阪大学医学部卒。大阪警察病院、ハーバード大学留学などを経て95年から国立循環器病センター。98年、同センター研究所室長。2008年、兵庫医療大学教授。2009年、武田薬品中央総括産業医。2016年、神戸学院大学教授。2018年、国際医療福祉大学熱海病院 病院教授、兵庫医科大学非常勤講師および横浜市立大学客員教授。

連載の紹介

駒村和雄の「健康寿命で行こう」
2009年にNMO循環器プレミアムのコラムとしてスタートした「論説・総説を読む」が、バージョンアップしました。国立循環器病センターで重症心不全の臨床に長年携わり、ACCやAHAのフェローを務める駒村氏。同氏が現在かかわっている医療系教育研究や高齢者医療の現場から、今、わが国の第一線の医療現場で問題となっている話題を幅広く取り上げ、Evidence Basedで論じます。

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