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Circulation誌Editorialから
AF患者のうつ病非治療と抗凝固療法非実施のリスクは同等?
Is It Time to Treat Depression in Patients With Cardiovascular Disease?

2009/08/03

 うつ病が冠動脈疾患や心不全の予後を悪化させる報告はあったが、心房細動心不全の合併症例についての報告はなかった。Circulation誌7月14日号でカナダ・モントリオール心臓協会研究センターのFrasure-Smith氏らは、心房細動と心不全を合併した患者の予後をうつ病が悪化させることを初めて報告し[1]、同号のEditorialにおいて米コロンビア大学のWhang氏らが論評した[2]。

 Frasure-Smith氏らは原論文で、AF-CHF試験においてベックのうつ病調査票(BDI:Beck Depression Inventory-II)に回答した症例の予後を調査した[1]。調査表上14点、すなわち軽度から中等度以上のうつ症状を呈する心房細動合併の心不全症例は、対象症例の32%だった。

 39週の追跡期間中に心不全・心房細動の最適治療を受けながらも、うつ症状は心血管死(ハザード比[HR]:1.57、95%信頼区間[95%CI]:1.20-2.07)、不整脈死(HR:1.69、95%CI:1.13-2.53)、全死亡(HR:1.38、95%CI:1.07-1.77)の増加と有意に関連した。

 心血管死のハザード比である1.57という値は、心房細動に対する抗凝固療法を怠った場合の心血管死リスクと同等であると、Frasure-Smith氏らは指摘した。うつ症状は心血管死のリスクを57%増加させたが、これはベックのうつ病調査票で1点増えるとリスクが2~3%増加することを意味する。

著者プロフィール

駒村 和雄(国際医療福祉大学熱海病院)こまむらかずお氏。1956年生まれ。東京大学経済学部・大阪大学医学部卒。大阪警察病院、ハーバード大学留学などを経て95年から国立循環器病センター。98年、同センター研究所室長。2008年、兵庫医療大学教授。2009年、武田薬品中央総括産業医。2016年、神戸学院大学教授。2018年、国際医療福祉大学熱海病院 病院教授、兵庫医科大学非常勤講師および横浜市立大学客員教授。

連載の紹介

駒村和雄の「健康寿命で行こう」
2009年にNMO循環器プレミアムのコラムとしてスタートした「論説・総説を読む」が、バージョンアップしました。国立循環器病センターで重症心不全の臨床に長年携わり、ACCやAHAのフェローを務める駒村氏。同氏が現在かかわっている医療系教育研究や高齢者医療の現場から、今、わが国の第一線の医療現場で問題となっている話題を幅広く取り上げ、Evidence Basedで論じます。

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