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No.25
心房細動様式と虚血性脳卒中リスクの関係

2014/11/11
吉賀康裕=山口大学大学院医学系研究科器官病態内科学

吉賀康裕氏

 心房細動(AF)は発作性、持続性に関わらず虚血性脳卒中のリスクとなり得るため、脳卒中危険因子となる患者背景に従い脳塞栓予防を行うことが重要とされています。また発作性、持続性、永続性といったAF様式は心房機能不全や構造変化といったAFの進行段階と関連しています。したがってAF様式は脳卒中リスクと関係しているように考えられますが、これまでの研究では一定の見解を得ることができませんでした。そのためAF様式に関わらず、背景の塞栓症危険因子の有無によって抗凝固療法の適応を検討するのが一般的です。しかし塞栓症リスクを考える上で発作性、持続性、永続性AFを同等に扱っていいものなのでしょうか? そこで「AF様式による虚血性脳卒中のリスク」について検討した論文を紹介したいと思います。

【論文】
Risk of ischaemic stroke according to pattern of atrial fibrillation: analysis of 6563 aspirin-treated patients in ACTIVE-A and AVERROES. European Heart Journal (2014 Epub ahead of print)

【目的】
 発作性、持続性、永続性といったAF様式と脳卒中リスクとの関係を検討する。

【対象と方法】
 ACTIVE-A/AVERROESのデータベースからアスピリンによって治療されたAF患者6563例の脳卒中および全身性塞栓症発症率を解析。多変量解析が脳卒中危険因子およびAF様式に対して行われた。

【結果】
 平均年齢は発作性69.0±9.9歳、持続性68.6±10.2歳、永続性71.9±9.8歳(P<0.001)、CHA2DS2-VAScスコアは発作性と持続性では同等(3.1±1.4)であったが永続性では有意に高かった(3.6±1.5、P<0.001)。虚血性脳卒中年次発症率は発作性、持続性、永続性でそれぞれ2.1、3.0、4.2%であり、補正ハザード比は発作性に対して永続性で1.83(P<0.001)、持続性で1.44(P=0.02)であった。多変量解析による脳卒中の独立予測因子は75歳以上の年齢、性別、脳卒中またはTIAの既往、AF様式であり、AF様式は脳卒中またはTIAの既往に次ぐ強い予測因子であった(表1)。

著者プロフィール

●井川修(日本医大多摩永山病院内科・循環器内科臨床教授)●尾野恭一(秋田大生理学教授)●古川哲史(東京医科歯科大難治疾患研究所教授)●村川裕二(帝京大付属溝の口病院第4内科教授)●渡邉英一(藤田保健衛生大内科学講師)[五十音順]

連載の紹介

What’s New in Electrocardiology by JSE
不整脈学や心電図学の主要雑誌の中から、その道の第一人者が「なるほど」とうなった新着論文をピックアップ、新しい知見のポイントを分かりやすく解説します。

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