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No.19
植え込み型デバイスによる心房細動の診断と脳卒中発生リスク
心房細動累積持続期間が抗凝固療法開始決定の参考に

2014/05/07
里見和浩=東京医科大学八王子医療センター循環器内科

里見和浩氏

 心房細動(AF)は、発作性、持続性に関わらず血栓塞栓症のリスク因子です。持続性AFと比較して、症状のない発作性AFの診断は容易ではありません。心原性血栓塞栓症を減らすためには、無症候性AFをいかに診断するが、重要な課題となっています。AFがどの程度持続すれば、血栓塞栓症のリスクが増すのかは、十分に分かっていません。「植え込み型デバイスによる心房細動の診断と脳卒中発生リスク」について検討した論文を紹介します。

【論文】
Device-detected atrial fibrillation and risk for stroke: an analysis of >10 000 patients from the SOS AF project (Stroke preventiOn Strategies based on Atrial Fibrillation information from implanted devices)
European Heart Journal (2014) 35, 508-516

【目的】
 ペースメーカなどの植え込み型デバイスにより記録された心房細動の1日の累積持続時間(AF burden)と脳卒中発症のリスクの関連を検討すること。

【対象】
 3つの研究のメタ解析を施行。3カ月以上追跡できたペースメーカーまたはICD植え込み例を対象。慢性心房細動は除く。計1万16例(平均70歳)において、デバイスで記録された1日の心房細動累積持続時間別(5分、1時間、6時間、12時間、23時間)の脳卒中発症リスクを検討。

【結果】
 平均24カ月の経過観察中、1万16例中43%で少なくとも1日5分以上の心房細動が記録された(図1)。観察開始から最大持続AF日までは平均6カ月(中間4分位:1.3-1.4)だった。CHADS2スコアや抗凝固療法で補正された脳卒中の独立した危険因子は、心房細動累積時間であった。心房細動累積持続別の検討では、1時間でハザード比が最大であった(HR:2.11、95%信頼区間[95%CI]:1.22-3.64、P=0.008)。

著者プロフィール

●井川修(日本医大多摩永山病院内科・循環器内科臨床教授)●尾野恭一(秋田大生理学教授)●古川哲史(東京医科歯科大難治疾患研究所教授)●村川裕二(帝京大付属溝の口病院第4内科教授)●渡邉英一(藤田保健衛生大内科学講師)[五十音順]

連載の紹介

What’s New in Electrocardiology by JSE
不整脈学や心電図学の主要雑誌の中から、その道の第一人者が「なるほど」とうなった新着論文をピックアップ、新しい知見のポイントを分かりやすく解説します。

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