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No.8
心房細動の病態の奥底で起こっている組織学変化って?
「線維化」ばかりじゃない何かがあるのでは・・・

2012/04/26
井川 修=日本医科大学多摩永山病院 内科・循環器内科

 1回の循環器外来を行うと、必ずと言ってよい程、心房細動治療目的に新しい年配の患者さんが紹介されてくる。「年齢が重なるにつれて心房筋が傷んでくる」。そんなイメージの病態である。本当なのだろうか?

 当初、心房細動は発作性として発症し、時間の経過とともに持続性となり、永続性に移行していく、そんなイメージを我々は持っている。でも、実臨床では典型的な臨床経過の例ばかりではない。なかなか永続性とはならず発作性のままで経過する例もあれば、速やかに永続性に移行してしまう例もあろう。このような臨床経過のバラツキに接するにつけその原因はどこにあるのかと考えてしまう。

 心房細動の臨床経過は、病態の表現形にすぎず、本質的なところは心房組織に起こる「原因不明の器質的変化」にあるとすれば、同様な病態でも心房の組織学的変化の違いにより臨床経過が異なることが推測される。でも、この「原因不明」が厄介だ。

 こんな疑問に少しでも、答えてくれる研究が最近、出てきたので見てみよう。そして、そこに未だ残る疑問点もあえて提示しよう。この研究は心房細動に罹患した多数の病理解剖例で心房筋の組織学変化を調べたものである。

著者プロフィール

●井川修(日本医大多摩永山病院内科・循環器内科臨床教授)●尾野恭一(秋田大生理学教授)●古川哲史(東京医科歯科大難治疾患研究所教授)●村川裕二(帝京大付属溝の口病院第4内科教授)●渡邉英一(藤田保健衛生大内科学講師)[五十音順]

連載の紹介

What’s New in Electrocardiology by JSE
不整脈学や心電図学の主要雑誌の中から、その道の第一人者が「なるほど」とうなった新着論文をピックアップ、新しい知見のポイントを分かりやすく解説します。

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