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No.7
体表面心電図でブルガダ症候群を鑑別する
「心電図はいまだ死なず」

2012/01/24
松下 毅彦=鹿児島大学循環器・呼吸器・代謝内科学

 私が専門とする不整脈の領域では、カテーテルアブレーション治療が花盛りである。病棟や外来はアブレーション治療を待つ心房細動などの患者であふれ、現場の医師たちは電気生理学的検査EPS)で電極カテーテルから得られる心内電位の解析に全精力を注ぐ。

 しかし、若い医師たちが体表面心電図をあまり熱心に読もうとしないのは、残念な限りである。私は、EPSがこれほどに発展してきても、なお心電図の読影にこだわりを持ってきた。マニア(あるいはヲタク)と呼ばれ、医局の同僚から白い目で見られようとも、このこだわりを捨てる気はない。

 最近の学術雑誌を見ていると、心内電位の詳細な解析や、何億円もする高額な機器を用いた心内マッピングのきれいな画像が目白押しである。そんな中で、今回取り上げた論文は、心電図派の私の興味を大いに引いた。通常の12誘導心電図の波形を解析することで、タイプ2または3のブルガダ型心電図と不完全右脚ブロックを鑑別しようという内容である。

【論文】
タイプ2または3のブルガダ型心電図と不完全右脚ブロックを鑑別する、新しい心電図判定基準
New electrocardiographic criteria for discriminating between Brugada types 2 and 3 patterns and incomplete right bundle branch block.(Chevallier S, et al. J Am Coll Cardiol. 2011;58:2290-8.


著者プロフィール

●井川修(日本医大多摩永山病院内科・循環器内科臨床教授)●尾野恭一(秋田大生理学教授)●古川哲史(東京医科歯科大難治疾患研究所教授)●村川裕二(帝京大付属溝の口病院第4内科教授)●渡邉英一(藤田保健衛生大内科学講師)[五十音順]

連載の紹介

What’s New in Electrocardiology by JSE
不整脈学や心電図学の主要雑誌の中から、その道の第一人者が「なるほど」とうなった新着論文をピックアップ、新しい知見のポイントを分かりやすく解説します。

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