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第10回 膝下動脈治療の実際
解離を生じないよう、低圧で長時間拡張する

2009/11/09

 重症下肢虚血(CLI)の症例では、ほとんどの場合に膝下病変を伴います。膝下血管3枝中、2枝以上が完全閉塞またはび漫性に狭窄していることが多く、膝下病変を治療する場合には完全閉塞を治療できる技術が必要です。また、バルーンで拡張した後、膝下に対しては承認されたステントがないことも念頭に置かなければなりません。

 本症例は、80歳代の男性です。右足の安静時疼痛を認め、足関節上腕血圧比(ABI)は0.69でした。

 血管造影から、通常の症例よりも前脛骨動脈が高い位置から分岐しており、膝下3枝とも閉塞していることが分かりました(図1)。ただ、前脛骨動脈および後脛骨動脈の完全閉塞部位から末梢の状態は比較的良好だったことから、両者に対する血管内治療(EVT)を施行することにしました。

著者プロフィール

井上直人(仙台厚生病院循環器内科主任部長)いのうえなおと氏。1982年京都府立医大卒。84年松下病院循環器内科、86年京都府立医科大学 第二内科修練医、88年京都第一赤十字病院循環器科。96年京都第二赤十字病院 循環器科、2002年同部長。2007年より現職。

連載の紹介

井上直人の「実践・下肢インターベンション」
5年ほど前から急速に日本で広まってきた下肢領域のインターベンション。筆者の井上直人氏はこの分野で先駆的な医師の1人だ。主任部長を務める仙台厚生病院循環器内科では、年間200例ほどを手がける。学会、講演会などで講演することも多い井上直人氏が豊富な症例を示しながら、教科書には載っていないポイントを分かりやすく解説。

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