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第8回 膝下動脈の治療1
重症下肢虚血(CLI)が血管内治療の適応に

2009/09/08

 膝関節以下の血管に関しては、急性あるいは慢性の重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia:CLI)が治療の対象となります。

 CLIになって下肢切断になれば、その予後は極めて不良です。Aulivolaら1)は、下肢切断を施行された患者の1年および5年後の生存率は、それぞれ69.7%、34.7%と非常に低いことを報告しています。

 従って、何としても下肢切断を回避する必要があります。間欠性跛行に対してはシロスタゾールや運動療法が推奨されていますが、CLIの場合には、それらは一般に効果が不十分で、血管内治療やバイパス手術などの血行再建が必要です。

まず膝関節以下の解剖を把握しよう
 膝下病変の場合には、その解剖をしっかり理解することが重要です。一般に下肢動脈は、一番最初に前脛骨動脈(anterior tibial artery)が分岐し、次に脛骨腓骨動脈幹(tibioperoneal trunk)から後脛骨動脈(posterior tibial artery)と腓骨動脈(peroneal artery)に分岐します(図1)。

著者プロフィール

井上直人(仙台厚生病院循環器内科主任部長)いのうえなおと氏。1982年京都府立医大卒。84年松下病院循環器内科、86年京都府立医科大学 第二内科修練医、88年京都第一赤十字病院循環器科。96年京都第二赤十字病院 循環器科、2002年同部長。2007年より現職。

連載の紹介

井上直人の「実践・下肢インターベンション」
5年ほど前から急速に日本で広まってきた下肢領域のインターベンション。筆者の井上直人氏はこの分野で先駆的な医師の1人だ。主任部長を務める仙台厚生病院循環器内科では、年間200例ほどを手がける。学会、講演会などで講演することも多い井上直人氏が豊富な症例を示しながら、教科書には載っていないポイントを分かりやすく解説。

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