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J Am Coll Cardiol誌から
一気飲みは長期間の大量飲酒と同程度のダメージを血管に及ぼす
他に疾患がなくても一気飲みを繰り返す若年成人は要注意

2013/07/26
山川 里香=医学記者

 米国の大学でも、飲酒する大学生の半数以上が定期的に一気飲みを行っており、深刻な問題となっているという。他に疾患がなくとも頻回に一気飲みをしている若年成人の血管には動脈硬化性変化が生じていることが、米国の研究により示された。この結果は、J Am Coll Cardiol誌7月3日号に掲載された。

 血管機能の調節を主につかさどっているのは内皮だ。よって、内皮機能障害は血管損傷の早期指標であり、将来のCVイベントを強力に予測する。また、内皮非依存性血管拡張障害は平滑筋機能障害を反映しており、アテローム性動脈硬化症の予測因子となる。

 著者らは今回、上腕動脈に血流依存性血管拡張反応(FMD)検査およびニトログリセリン(NTG)媒介性血管拡張検査を行って、一気飲みをする若年成人と飲酒しない若年成人の内皮依存性機能および内皮非依存性機能を比較した(FMDは血管内皮細胞から分泌されるNO増加によって誘発され、血管内皮機能を示す。また、NTG媒介性血管拡張は、内皮細胞機能が障害されると低下する)。

 また、血管床によって内皮細胞の構造および生理的機能が異なる可能性があり、複数の部位の血管で血管機能を調査することが臨床的に重要であるため、臀部脂肪体から摘出した抵抗動脈も比較した。

 都市部の大学から喫煙していない健康な対象者計36例を登録した。このうち、非飲酒群は19例(男性10例、女性9例)、一気飲み群 は17例(男性11例、女性6例)だった。一気飲みの定義は、登録の2週間以内に2時間以内で標準的なドリンク(ビール350mL、テーブルワイン150mL、アルコール含有量が80%のスピリット45mLまたはモルトリカー235~265mL)を男性の場合は5杯以上、女性の場合は4杯以上飲むこととした。非飲酒群には、この1年間で1~5杯以下しか飲まなかった学生を登録した。

 除外基準は、糖尿病、高血圧、妊娠、心血管疾患または心血管イベント、甲状腺疾患、下垂体腫瘍、障害を引き起こす遺伝的疾患、痛風の既往者、違法薬物使用歴がある者、BMI≧30kg/m2の者とした。

 ベースラインの対象者の背景をみると、一気飲み群の方が白人の割合が多かったが(P=0.004)、これ以外に有意な群間差はみられなかった。一気飲み群では、直近の一気飲みからの平均経過時間は65±11時間で、アルコール摂取速度は34±7g/時、前月の一気飲み回数は6±1回、平均4±0.6年にわたり一気飲み行動を継続していた。

 独立したt検定で群間差を判定した。内皮依存性血管拡張および内皮非依存性血管拡張については、共分散解析を行い、一般的な線形モデルを用いて年齢、性別および民族で調整し、一気飲みとの関係を調査した。

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