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J Stroke Cerebrovasc Dis.誌から
TIAに関する日本人の知識は不十分、トリアージはかかりつけ医に依存
年齢や地域による差に合わせた啓発活動が必要

2013/06/26
山川 里香=医学記者

 全国規模の調査を行い、医療従事者を除く日本人1万1121人から回答を得たところ、TIAに関する知識が不十分であることが分かった。TIAは緊急を要する疾患であるにもかかわらず、直ちに救急車を要請する、と回答した人の割合が非常に低かったことから、年齢および地域による差を考慮して教育プログラムを改善する必要があることが示唆された。聖マリアンナ医科大学神経内科の秋山久尚氏らによる今回の結果は、J Stroke Cerebrovasc Dis.誌5月号に掲載された。

 脳卒中を予防するにはTIAの早期発見、早期治療が極めて重要であり、TIAに関する一般市民の知識が十分でなければならない。著者らはこの点を調査するため、2010年11月8~11日の間にインターネット上で予備的調査研究を行った。対象者は、民間の調査会社に登録されている一般市民モニター412万人から性別、年齢別(10歳ごとの区分)に無作為に抽出した20~69歳の一般市民(医療従事者を除く)。

 有効回答は1万1121人(男性5550人、平均44.8±13.1歳、20~69歳、有効回答率37.1%)から得られた。年齢別の内訳(括弧内は男性)は20歳代1936人(968人)、30歳代2426人(1207人)、40歳代2101人(1049人)、50歳代2570人(1275人)、60歳代2088人(1051人)だった。回答者には会社員(42.1%)、大学・大学院卒(44.4%)、既婚者(62.5%)といった特徴があった。

 「四肢に一過性の虚血発作が発生し、10分後に消失した場合、どのような行動をとりますか」との質問に対し、最も多かった回答は「とりあえず、かかりつけの医療機関に受診/相談し指示を受ける」(4653人、41.8%)だった。次いで「直ちに救急車を要請し、病院に搬送してもらう」(2490人、22.4%)、「数時間、安静にして様子をみてから病院へ行く」(1911人、17.2%)、「数日間、安静にして様子をみてから病院へ行く」(822人、7.4%)、「病院に行かずに様子をみる」(606人、5.4%)、「わからない」(614人、5.5%)の順だった。

 都道府県別にみると、「直ちに救急車を要請し、病院に搬送してもらう」との回答率が最も高かったのは徳島県(約40%)、次いで25%を上回った香川、熊本および島根の3県が続いた(図1)。

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