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J Am Coll Cardiol誌から
6分間歩行と心肺運動負荷試験の心不全予後予測能は同等
HF-ACTION試験の2次解析における直接比較の結果

2012/12/07
難波寛子=医師

 6分間歩行(6MW)と心肺運動負荷試験(CPX)は収縮期心不全の予後予測に用いられるが、両者の予測能の差は明らかでなかった。このたび、HF-ACTION(Heart Failure: A Controlled Trial Investigating Outcomes of Exercise Training)試験の参加者を対象に両者の比較が行われ、総死亡と入院、または総死亡単独の予測における有用性はほぼ同等であることが分かった。論文は11月8日付のJ Am Coll Cardiol誌オンライン版に発表された。

 HF-ACTION試験は、左室駆出率(LVEF)35%以下で歩行が可能な収縮期心不全患者を対象に、通常治療に運動療法を加えた群と通常治療のみの群を比較したランダム化試験だ。参加者は、ベースラインで6MWとCPXを受けていた。CPX指標として最大酸素摂取量(peak VO2)を決定し、酸素換気当量(VE/VCO2)slopeを算出した。

 全参加者2331例から、トレッドミル以外を用いてCPXを行った(またはトレッドミルを使用したことが明確でない)231例を除外した2100例中、6MWとCPXの結果が両方得られた2054例(88%)を本研究の解析対象とした。

 対象者の年齢は中央値59歳(四分位範囲:51~68)、男性が71%、NYHA II度64%、III/IV度36%だった。

 6MW歩行距離の分布は50mから650mまで幅広く、350mから400mをピークに左右対称だった。ピアソンの積率相関係数を用いた検討の結果、短い6MW歩行距離と関連した因子は、高齢(r=-0.23)、BMI高値(r=-0.13)だった。

 6MW歩行距離とpeak VO2およびVE/VCO2 slopeは、非調整モデル(peak VO2:r=0.54、VE/VCO2:r=-0.26)と、調整後モデル(peak VO2:r=0.33、VE/VCO2:r= -0.17)の両方で有意な相関を示した(全てP<0.0001)。だが、両指標ともに調整後は相関が弱まった。調整に用いた共変数は、身長、体重、ベースラインから6カ月以内の入院回数、居住地域、NYHAクラス分類、年齢、人種、末梢動脈疾患、ECG上の心室内伝導異常、BMI、性別、LVEF、糖尿病である。

 6MW歩行距離、peak VO2、VE/VCO2 slopeについて、総死亡および入院、総死亡との関連をそれぞれ検討した結果、非調整・調整モデルの両方で関連が確認されたが、ハザード比(HR)は調整モデルで1に近づいた。一方、C統計量は調整モデルで高かった。非調整モデル:6MW歩行距離(HR:0.75、95%信頼区間〔CI〕:0.70-0.79、C統計量:0.58、95%CI:0.57-0.60)、peak VO2(HR:0.69、95%CI:0.65-0.73、C統計量:0.61、95%CI:0.59-0.62)、VE/VCO2 slope(HR:1.27、95%CI:1.21-1.33 、C統計量:0.56、95%CI:0.55-0.58)。調整モデル:6MW歩行距離(HR:0.78、95%CI:0.73-0.84、C統計量:0.62、95%CI:0.60-0.64)、peak VO2(HR:0.72、95%CI:0.67-0.77、C統計量:0.63、95%CI:0.61-0.65)、VE/VCO2 slope(HR:1.15、95%CI:1.08-1.22、C統計量:0.61、95%CI:0.59-0.62)(全てP<0.0001)。

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