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N Engl J Med誌から
抗PCSK9抗体とスタチンの併用でLDL-Cが大きく低下
注目のポストスタチン候補の第2相試験、有害事象の増加も見られず

2012/11/19
西村 多寿子=医療ライター

 原発性高コレステロール血症の患者に、アトルバスタチン80mgまたは10mgに抗PCSK9抗体を併用すると、プラセボを併用した場合に比べて、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値が有意に低下した。このプラセボ対照二重盲検第2相試験の結果は、N Engl J Med誌11月15日号に発表された。

 PCSK9(前駆蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)は、肝臓などに存在するLDL受容体と結合して、同受容体の分解を促進し、血中LDL-Cの低下を妨げる作用がある。開発中の抗PCSK9抗体(REGN727/SAR236553)は、LDL受容体へのPCSK9の結合をブロックしてLDL-Cの低下をもたらすとされ、スタチンのみで十分な脂質低下が得られない患者への使用が期待されている。

 本試験は、米国の20施設で実施された。組み入れ基準は、18~75歳、原発性高コレステロール血症でアトルバスタチン10mgを7週間投与後もLDL-Cが100mg/dL以上の男女とした。ただし、1型糖尿病、インスリン使用もしくはコントロール不良の2型糖尿病、中性脂肪350mg/dL超、6カ月以内に脳・心血管系イベントや処置を受けた患者などは除外した。

 2011年1~9月に214例をスクリーニングし、組み入れ基準を満たした患者を1:1:1の比で、アトルバスタチン80mg+抗PCSK9抗体群、アトルバスタチン10mg+抗PCSK9抗体群、アトルバスタチン80mg+プラセボ群の3群に割り付けた。

 アトルバスタチンの80mgと10mgは外形を同一とし、抗PCSK9抗体またはプラセボは2週間に1回(計4回)腹部に皮下注射した。8週までを治療期間、8週~16週は観察期間とし、観察期間中は試験開始前と同じ治療を行った。

 有効性の主要評価項目は、ベースラインからの8週までのLDL-Cの変化とし、最小二乗平均(±標準誤差[SE])で表した。intention-to-treat集団に対し、ANCOVAモデルを用いて評価した。

 2次評価項目は、8週時点でLDL-C100mg/dL未満あるいは70mg/dL未満を達成した患者比率、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)や中性脂肪などの変化量とした。

 安全性の評価については、割り付け後に抗PCSK9抗体またはプラセボの投与が1回以上あった患者を対象とし、記述統計で示した。

 適格患者92例の平均年齢は56.9歳、男性比率40%、高血圧51%、2型糖尿病15%だった。患者30例がアトルバスタチン80mg+抗PCSK9抗体群に、31例がアトルバスタチン10mg+抗PCSK9抗体群に、31例がアトルバスタチン80mg+プラセボ群に割り付けられた。
 

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