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Circulation誌から
初回MI後のNSAIDs使用は5年間の心血管リスクと関連
デンマークでの全国調査の結果

2012/09/28
難波 寛子=医師

 心筋梗塞MI)後の非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)使用によるその後の冠動脈疾患のリスク上昇は、5年間継続することが、デンマークで行われたコホート研究で分かった。MI後のいかなる時点での使用についても、リスクが上昇していた。論文は、Circulation誌オンライン版に9月10日に発表された。

 NSAIDs投与に伴う心血管リスク上昇は近年注目されており、2007年にはアメリカ心臓協会(AHA)が「心血管疾患の既往がある症例に対するNSAIDs投与を推奨しない」との勧告を行っている。一方、初回MI後の死亡やMI再発のリスクは、初回イベント後1年を過ぎると急速に下降し、5~10年でベースラインに戻ることが知られている。その期間にNSAIDsを使用した場合、本来低下していく心血管リスクにどのような影響を与えるのかは不明だった。

 本研究は、デンマークにおける全国患者登録のデータを用いたコホート研究で、観察期間は1997年1月1日から2009年12月31日までとした。デンマークでは全国民が固有の番号を有し、投薬、入院等のデータが登録されている。

 対象は30歳以上で期間中に初回のMIにより入院した患者とした。過去19年間の登録データ上にMIによる入院が確認できないものを初回MIとした。選択バイアスを避けるため、対象を退院の30日後も生存している症例に限定した。

 デンマークでは処方薬を受け取った際に必ずデータベースに登録されるシステムになっており、OTC薬として入手可能であるNSAIDsはイブプロフェン200mgのみである。本研究では、処方薬として受け取られたCOX2選択的阻害薬を含むNSAIDsにつき検討した。

 本研究のアウトカムは、(1)総死亡、(2)冠動脈疾患による死亡と非致死性MIによる再入院の複合エンドポイントとした。本研究で用いた全てのモデルにおいて、年齢、性別、初回入院の年、併用薬、合併症、社会経済状況について調整を行った。

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