日経メディカルのロゴ画像

Morbidity and Mortality Weekly Reportから
管理不十分な高血圧の9割近くに過去1年の受診歴
血圧管理の機会が見過ごされている実態を示唆、CDCによる解析

2012/09/21
岡本 絵理=メディカルライター

 管理不十分な高血圧患者の大半はかかりつけ医を持ち、医療保険に加入し、過去1年以内の受診歴があることが、米疾病対策センター(CDC)の解析で明らかになった。結果は、2012年9月7日付のMMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report;CDCが発行する疫学週報)に報告された。

 高血圧は心血管疾患の主な危険因子であり、死亡率の上昇と関連している。高血圧症を適切に治療し管理すれば、心臓発作や脳卒中などの発生率を減らすことができ、救命につながる。

 そこでCDCは、2003~2010年に国民健康栄養調査(NHANES)に参加した18歳以上の成人のうち、妊娠しておらず必要なデータがそろっている2万811人を対象に、管理不十分な高血圧について調査した。

 高血圧の定義は、「平均収縮期血圧(SBP)が140mmHg以上または平均拡張期血圧(DBP)が90mmHg以上」または「現在降圧薬を使用している」場合とした。高血圧のうち、「平均SBPが140mmHg以上または平均DBPが90mmHg以上」の場合を管理不十分な高血圧とした。

 「医師などの医療従事者に高血圧であると言われたことがあるか」との質問に「はい」と答えた人を、高血圧の自覚ありと判断した。「高血圧のため処方薬を服用するように言われたことがあるか」「現在降圧薬を服用しているか」との質問に対していずれも「はい」と答えた場合、降圧薬の投薬を受けていると判断した。

 上記の定義に従い、管理不十分な高血圧者を、高血圧と自覚していない群(自覚なし群)、高血圧と自覚しているが投薬を受けていない群(自覚あり・非投薬群)、高血圧と自覚しており投薬も受けているが管理不十分な高血圧の群(自覚あり・投薬群)の3群に分けた。

 対象期間中の人口動態調査と、サンプルとしたNHANES参加者のデータに基づき、母集団である米国民全体の有病数を計算した。

 2003~2010年の米国の成人高血圧患者は6690万人(成人人口全体の30.4%)と推定され、そのうち3580万人(53.5%)が管理不十分な高血圧だった。管理不十分な高血圧患者のうち、自覚なし群は1410万人(39.4%)、自覚あり・非投薬群は570万人(15.8%)、自覚あり・投薬群は1600万人(44.8%)だった。

 約910万人がステージ2高血圧(SBPが160mmHg以上またはDBPが100mmHg以上)と推定された。ステージ2高血圧は成人高血圧患者全体の13.6%を占め、管理不十分な成人高血圧患者の中では25.4%を占めていた。

 管理不十分な高血圧患者3580万人のうち、かかりつけの医療機関がある人は3200万人(89.4%)、過去1年以内の受診歴がある人は3140万人(87.7%)、健康保険に加入している人は3050万人(85.2%)だった。

この記事を読んでいる人におすすめ