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Neurology誌から
チョコレート摂取増加で脳卒中リスク減
前向きコホート研究のメタ解析、ただし摂取を奨励するには時期尚早と著者

2012/09/20
西村 多寿子=医療ライター

 スウェーデンの中高年男性を対象とした前向きコホート研究と、本研究を含む5つの研究のメタ解析により、チョコレート高摂取群は、低摂取群に比べて脳卒中リスクが17~19%低下することが明らかになった。この結果は、Neurology誌8月29日号に掲載された。

 チョコレートに含まれるフラボノイドは、降圧効果に加えて、抗酸化、抗凝固、抗炎症効果があり、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の減少や内皮機能の改善に寄与する可能性がある。先行研究では、女性におけるチョコレート摂取と脳卒中リスクの関係、および男性と女性を合わせた結果の報告はあるが、男性のみを扱った研究はない。

 そこでスウェーデン・カロリンスカ研究所の栄養疫学研究グループは、Cohort of Swedish Menに登録された中高年男性を対象に、チョコレート摂取と脳卒中リスクの関係を前向きに調査した。さらに、PubMedとEMBASEを用いて2012年1月までに発表された関連研究を検索し、変量効果モデルを用いたメタ解析を行った。

 Cohort of Swedish Menは1997年に開始された前向き研究で、スウェーデン中部の2つの県に住む45~79歳の男性を対象に、身長・体重、既往歴、食事や生活習慣に関する350項目の質問紙調査を行い、回答のあった4万8850例を追跡した。

 チョコレート摂取量については、ベースライン調査で1日の摂取頻度を質問し、スウェーデン人男性の年齢別1回分摂取量を乗算した(43~54歳:42g、55~63歳:34g、64~71歳:27g、72~77歳:26g)。脳卒中の初発例については、1998年1月~2008年12月まで、Swedish Hospital Discharge Registryで確認した。

 登録者のうち、癌、心血管疾患、糖尿病の患者などを除いた3万7103例を本研究の分析対象とした。平均追跡期間10.2年(37万9094人年)の間に、脳卒中の初発例が1995件あり、内訳は、脳梗塞1511件、脳出血321件(頭蓋内出血254件、クモ膜下出血67例)、詳細不明の脳卒中163件だった。

 対象者をチョコレート摂取量により4群に分けた(<12.0g/週[中央値:0]、12.0~19.5g/週[中央値:12.5]、19.6~51.5g/週[中央値:38.4]、≧51.6g/週[中央値:62.9])。

 チョコレート摂取量が最も多い第1四分位群は、最も少ない第4四分位群に比べて、年齢が若く、教育レベルが高く、喫煙と高血圧の比率が低かった。飲食料品については、チョコレート高摂取群の方が、低摂取群に比べて、総エネルギー摂取量が高く、アルコール、肉、果物、野菜の摂取量も多いが、魚の摂取量は少ない傾向が見られた。
 

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