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J Am Coll Cardiol誌から
30分間の受動喫煙でも内皮機能が低下
実生活で遭遇する可能性の高い低濃度の副流煙でも影響あり

2012/06/08
岡本 絵理=メディカルライター

 喫煙歴のない健常者が低濃度の副流煙を短時間受動喫煙しただけでも、副流煙の濃度に依存して内皮機能が低下することが、米国の研究で分かった。結果は、J Am Coll Cardiol誌5月22日号に掲載された。

 副流煙は心血管疾患を引き起こす。これまでに行われた実験では、短期または長期の受動喫煙が内皮機能に影響を及ぼすことが示されている。タバコの煙はその場にとどまり時間経過によって変化するが、時間が経過した副流煙は、新鮮な副流煙と比べて呼吸上皮に対する毒性が増加する。

 以上の知見を踏まえ、米カリフォルニア州サンフランシスコの研究者らは、比較的低濃度の、一定時間が経過した副流煙によって内皮機能が損なわれるかどうかを調べた。

 喫煙歴、過去30日以内の受動喫煙歴のいずれもなく、唾液コチニン濃度が10ng/mL未満の18~40歳の健康な被験者33名を、30分間受動喫煙させた。

 副流煙の濃度は、(1)煙を含まない空調空気(=コントロール)、(2)呼吸域浮遊粒子(RSP)が100ng/μL(喫煙者の自宅や喫煙可能なレストランに相当)、(3)RSPが400 ng/μL(煙のこもったバーやカジノに相当)の3段階とし、被験者をいずれかに割り付けた(各11人)。

 副流煙は喫煙器を用いて作製し、空調空気により相対湿度45~55%、温度20~22.5℃に調整してから、ステンレス鋼製チャンバー内で60分経過させ、その後30分間被験者に曝露した。RSP濃度は、被験者に近い気流上流側で、光度計を用いて持続的にモニターした。

 受動喫煙の前後に、上腕動脈の血管拡張反応(FMD)の最大パーセント値(%FMDmax)を算出した。%FMDmaxは、最大上腕動脈径とベースライン時の上腕動脈径との差が、ベースライン時の上腕動脈径に占める割合(%)として算出した。上腕動脈径は高解像度超音波検査により測定。最大上腕動脈径は、血圧測定用カフを前腕に装着し200mm以上となるよう5分間膨張させ、カフを減圧させた後に測定した。

 ベースライン時および受動喫煙から0、2、4時間後に、一酸化窒素関連生成物である非対称性ジメチルアルギニンADMA)およびニトロチロシンの血中濃度を測定した。

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