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Neurology誌から
スタチンが脳梗塞患者の退院状況を改善
入院前や入院中の投与で自宅退院が増加

2012/06/05
西村 多寿子=医療ライター

 急性脳梗塞患者へのスタチン投与と退院状況の関係を、米国の約1万3000例のデータを用いて検討したところ、入院前や入院中にスタチンの投与を開始した患者は、非投与の患者に比べて自宅退院の比率が高く、スタチンが梗塞後の機能改善に寄与している可能性が示された。この結果はNeurology誌5月22日号で発表された。

 この大規模コホート研究は、2000年1月~07年12月に、米国の民間医療保険会社Kaiser Permanente Northern California(KPNC)に属する17病院のいずれかに入院した50歳以上の急性脳梗塞患者のうち、退院時診断が脳梗塞(ICD-9:433.01、433.11、433.21、433.31、433.81、433.91、434.01、434.11、434.91)で、CTもしくはMRIの画像がある患者を対象とした。

 KPNCのデータベースから、患者基本情報、病歴、入院期間、スタチン投与歴の情報を入手した。電子調剤記録で、スタチン投与期間中に脳梗塞による入院が発生した場合は「入院前のスタチン投与」に分類し、入院中のスタチン開始や中止の有無も調査した。

 主要アウトカムは退院状況とし、(1)自宅退院、(2)転院(リハビリ施設、介護施設)、(3)死亡退院──とした。ホスピスへ転院した患者は分析から除外した。

 順序ロジスティック回帰分析を使って、スタチン投与が退院状況に与える影響を評価した。多変量モデルでは、年齢、性別、人種、併存疾患(高血圧、糖尿病、心房細動、冠動脈疾患、うっ血性心不全)、病院による受け入れ患者数の違いを調整した。また、病院ごとの治療パターンの違いを考慮した分析も行った。

 7年間に1万2689例のデータを収集した。単変量解析では、入院前からのスタチン使用者は、非使用者よりも退院時のアウトカムが良好な傾向が認められた。自宅退院の患者比率は、スタチン使用者全体の54.6%に対し、非使用者では50.0%だった。死亡退院は、スタチン使用者の7.6%に対し、非使用者では8.6%だった(P for trend <0.001)。

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