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BMJ誌から
脳卒中発症前の認知機能は発症後の死亡リスクに関連
検査成績が劣るほど生存率も低下、プロスペクティブコホート研究

2012/05/30
山川 里香=医学記者

 脳卒中発症前の認知機能検査(TMT-Aおよび-B)の成績と脳卒中/TIA発症後の死亡リスクは、従来の脳卒中リスク因子とは独立して関連していることが示された。一方、Mini-Mental State Examinationの成績は関連していないことも分かった。スウェーデンの研究者らが高齢男性を対象として行った住民対象研究において明らかにされたもの。この結果は、BMJ誌5月9日号オンライン版に掲載された。

 明確に定義されたアウトカム予測モデルは、治療や患者・親族への情報提供の改善に重要な意義を持つ可能性がある。これまでの研究から様々な脳卒中予後因子が見いだされているが、より長期にわたって追跡し、詳細に調査する必要がある、と著者らは考えた。

 そこで、Swedish National Board of Health and Welfareのレジストリーデータおよび退院記録を用いて対象母集団の特性を広範に調査した。対象者は、ULSAMコホート(1970~74年にスウェーデン、ウプサラ在住の50歳男性だけを採用し、心血管疾患の代謝関連リスク因子の特定に焦点を当てた健康調査)だった。

 ベースラインの調査(1991年8月~1995年5月、69~75歳時)では、既往症、飲酒、治療などに関する医学的質問票への記入、身体測定、臥位血圧測定、血液サンプル採取、コレステロール値測定、HDL-C粒子分離、糖尿病判定、12誘導心電図記録などを行った。また、1993~96年には3種の認知機能検査(Trail Making Test[TMT]-A、TMT-B、Mini-Mental State Examination[MMSE])を実施した。

 なお、解析では、ベースラインから認知機能検査までに脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)を発症した者、誤診例などを除外し、最終的に919例を対象とした。

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