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J Am Coll Cardiol誌から
QTcが延長していると脳卒中リスクが3倍
米国REGARDS研究の参加者データを解析

2012/05/02
難波寛子=医師

 心拍数で補正したQTc間隔が延長していると脳卒中のリスクが高くなることが、REGARDS研究の参加者を対象とした解析で明らかになった。論文は、J Am Coll Cardiol誌4月17日号に掲載された。

 REGARDS研究は、アメリカ南西部の「脳卒中ベルト地帯」の住民を対象に、脳卒中による死亡の人種別・地域別差異を明らかにする目的で行われた。2003年から2007年までに組み入れられた参加者3万239人のうち、本解析の対象となったのは2万7411人(91%)。除外理由は、脳卒中の既往ありが1930人、心電図データの不備が359人、経過観察データなしが539人だった。

 安静時心電図は家庭訪問時に記録した。本解析では、QT間隔を心拍数で補正したQTcのうち、Framinghamの式を用いて算出したQTcFramを用いた。QTcFramは、女性で460ms以上、男性で450ms以上を異常(QTcFram延長)とした。 結果の確認および既報との比較のための2次解析には、Hodgeの式を用いたQTcHod、Bazettの式を用いたQTcBaz、Fridericiaの式を用いたQTcFridを使用した。

 脳卒中はWHOの定義に従い、「24時間以上持続または死亡に至る急速進行性の大脳病巣(時に全体的な機能障害)で、血管系以外の明らかな原因がないもの」とした。脳の画像診断で急性の虚血や出血が確認されたものの、症状が24時間以内に消失した場合は、臨床的脳卒中とした。脳卒中は、虚血性と出血性に分類し、虚血性脳卒中のみを対象とした2次解析も行った。

 ベースライン時の平均QTcFramは407±23msで、QTcFramの延長は740例(2.7%)でみられた。QTcFram正常群と比べて、QTcFram延長群は高齢で、黒人が少なく、男性が多かった。また、心血管疾患(CVD)、糖尿病、高血圧、心房細動(AF)、左室肥大(LVH)の既往やQT延長を生じる薬剤の使用もQTcFram延長群で多かった。

 中央値5.1年(最長8.2年)の観察期間中、脳卒中は608回発生した。うち491回は虚血性脳卒中だった。脳卒中発生率はQTcFram延長群で5.4%、正常群で2.8%だった(P<0.0001、図1)。

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