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N Engl J Med誌から
リバーロキサバンはVTE予防でも標準療法に非劣性――EINSTEIN-PE試験

2012/04/26
西村 多寿子=医療ライター

 急性症候性肺塞栓症PE)患者を対象に、経口第Xa因子阻害薬リバーロキサバンの症候性静脈血栓塞栓症VTE)再発抑制効果を検討したところ、標準療法に対し非劣性だった。出血リスクの上昇もなく、大出血の発生は有意に減少した。この結果は、N Engl J Med誌4月5日号に掲載された。

 固定用量のリバーロキサバンは、深部静脈血栓症DVT)の治療において、従来の標準的な抗凝固療法と同程度の有効性が示されている。ビタミンK拮抗薬と異なり定期的モニタリングによる用量調整が不要なリバーロキサバンは、肺塞栓症(PE)の治療も簡略化できる可能性がある。

 EINSTEIN-PEと名付けられたこの試験は、肺塞栓症(PE)治療におけるリバーロキサバンの有効性と安全性を標準療法(エノキサパリン[低分子ヘパリン]+ビタミンK拮抗薬)と比較したオープンラベルのランダム化試験。2007年3月~11年3月に38カ国263施設で実施された。

 組み入れ基準は、客観的に確認された急性症候性肺塞栓症(PE)で、症候性深部静脈血栓症(DVT)併発の有無は問わなかった。除外基準は、(1)低分子ヘパリン、フォンダパリヌクス、未分画ヘパリンの48時間超の投与歴、(2)ビタミンK拮抗薬のランダム化前の投与歴、(3)血栓摘出術の既往、(4)クレアチニンクリアランス<30mL/分──などとした。

 リバーロキサバン群は、投与開始から3週間は15mgを1日2回、その後20mgを1日1回投与した。標準療法群は、エノキサパリン1.0mg/kgを1日2回皮下注し、ワルファリンまたはacenocoumarolをランダム化から48時間以内に開始した。

 エノキサパリンは5日以上投与し、INR2.0以上が2日続いた時点で中止した。ビタミンK拮抗薬は、月1回以上測定するINRが2.0~3.0を維持するよう用量調整した。

 治療期間は3カ月、6カ月、12カ月のいずれかとし、担当医がランダム化前に決定した。

 有効性の主要評価項目は、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の再発(致死的または非致死的肺塞栓症[PE]と症候性深部静脈血栓症[DVT]の複合)とした。

 安全性の主要評価項目は、臨床的に関連のある出血(大出血または大出血ではないが臨床的に関連のある出血の複合)とした。

 リバーロキサバンの非劣性については、ハザード比(HR)の95%信頼区間(95%CI)上限を2.0に設定した。Intention-to-treat解析で、治療期間によって層化したCox比例ハザードモデルを用い、ベースライン時の癌の有無で補正した。

 リバーロキサバン群(2419例)と標準療法群(2413例)の平均年齢は58歳、症候性深部静脈血栓症(DVT)の併発は25%、静脈血栓塞栓症(VTE)の既往は20%だった。エノキサパリン投与期間の中央値は8日で、同薬投与終了時のINRが2.0以上の患者は83%だった。

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