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Lancet誌から
PCI後の遺伝子検査に基づく抗血小板薬選択は有用

2012/04/13
難波寛子=医師

 クロピドグレル投与前にチトクロームP450(CYP)2C19の代謝活性欠損のポイントオブケア(POC)遺伝子検査を行い、結果に基づき抗血小板薬を選択すると、患者に利益をもたらすのだろうか。

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の症例を対象に、POC検査に基づく薬剤選択を行う群とPOC検査を行わずにクロピドグレルを投与する群の血小板反応性を比較したランダム化試験(RAPID GENE試験)の結果が、3月29日付のLancet誌オンライン版に掲載された。POC検査でCYP2C19*2アレル保有が判明した症例には、クロピドグレルの代わりにプラスグレルを選択することにより、クロピドグレル投与時に比べて1週間後の血小板反応性が抑制されることが分かった。

 CYP2C19*2保因者は、西欧系の人々で30%、アジア系では50%と言われている。こうした人々はクロピドグレルによる血小板凝集抑制が不十分であるため、PCI後の主要心血管イベントやステント血栓症のリスクが高い。近年、頬粘膜スワブを用いたPOC遺伝子検査(Spartan RX CYP2C19;Spartan Biosciences、Ottawa、ON、Canada)が開発され、CYP2C19*2保因者に対してはCYP2C19*2に影響されないプラスグレルやチカグレロルを用いる個別化治療が可能となった。本試験は、個別化抗血小板療法の実行可能性と有効性を検討する概念実証試験として行われた。

 対象は、2010年8月26日から2011年7月7日までに、非ST上昇型の急性冠症候群または安定冠動脈疾患のため、カナダのオタワ大学心臓研究所においてPCIを受けた18~75歳の症例。

 全例に、PCIの24時間前までにクロピドグレル600mgをボーラス投与した。アスピリンとクロピドグレル以外の抗血小板療法や、ワルファリンまたはダビガトランによる抗凝固療法を受けている症例は除外したほか、表1に示した条件に該当する症例は除外した。

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