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CMAJ誌から
AFは認知症や介護施設入所のリスク増大と関連
脳卒中の有無とは無関係に3~5割増加

2012/03/22
山川 里香=医学記者

 明らかな脳卒中の有無とは無関係に、心房細動(AF)があると認知症発症や介護施設入所のリスクが約1.3~1.5倍に増大することが、ONTARGET試験およびTRANSCEND試験の事後解析により判明した。この結果は2月27日、CMAJ誌オンライン版に掲載された。

 AF自体が認知症に及ぼす影響は明らかではない。そこで、カナダ、イタリアなどの研究者は、心血管疾患(CVD)リスクの高い大規模集団のデータを用いて、AFと認知・身体障害の関連を調査した。

 2001年11月~2004年5月に40カ国733施設から登録された、ONTARGET試験(ramipril+テルミサルタン併用療法とテルミサルタン単独療法のCVDイベント抑制効果を比較したランダム化試験[RCT])およびTRANSCEND試験(テルミサルタンとプラセボのCVDイベント抑制効果を比較したRCT)の対象者中、ベースラインにおけるAFの情報が完全に入手できた者を今回の検討に適格とした。

 ONTARGET試験およびTRANSCEND試験の登録要件は、心血管疾患の既往または糖尿病がある55歳以上の患者である。

 今回の検討の対象者は合計3万1506例(男性70.4%、平均66.5歳)で、ベースラインのMini–Mental State Examination(MMSE)スコアは平均27.7点(標準偏差[SD]:2.9)、追跡不能となったのは0.02%だった。

 主要アウトカムは、認知機能低下、新規認知症発症、日常動作での自立性喪失、介護施設への入所とした。

 ベースラインで1016例(3.3%)にAFが認められた。さらに56カ月間(中央値)の追跡期間中に、2052例(6.5%)がAFを発症した。

 試験期間中に初回脳卒中を発症した患者は、AF合併患者では3068例中261例(8.5%)だったが、AF非合併患者では2万7864例中1110例(4.0%)だった。

 Cox回帰モデルを用いて、年齢、教育水準、性別、ベースラインのMMSEスコア、ベースラインの収縮期血圧、既往歴(脳卒中/一過性脳虚血発作、高血圧、糖尿病、心筋梗塞)、アルブミン尿およびクレアチニン値、喫煙、体格指数(BMI)、身体活動性レベル、睡眠時無呼吸、飲酒などの交絡因子で調整した。また臨床的脳卒中の有無、試験、治療群および民族(欧州系 vs. 非欧州系)でサブグループ解析を行い、関連性を個別に調査した。
 

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