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J Endovasc Ther誌から
大腿膝窩動脈へのステント、3年後もバルンより良好
RESILIENT試験の長期成績

2012/03/09
山川 里香=医学記者

 大腿・膝窩動脈の動脈硬化病変に起因する間歇性跛行患者を対象として、ニチノール製自己拡張型ステント治療とバルンカテーテル治療の3年後の成績を比較したところ、標的病変再血行再建術(TLR)回避率および臨床的成功率はステント群の方が有意に良好で、QOLは同等だった。米国の研究者によるこの結果は、J Endovasc Ther誌2月号に掲載された。

 大腿・膝窩動脈病変へのステント治療とバルンカテーテル治療の比較に関する長期データは限られており、ステント破損および遠隔期ステント再狭窄が依然として懸念されている。

 そこで、患者合計206例(男性143例、平均67±10歳)を前向きに登録し、前拡張の後に2対1の割合でステント群(134例)またはバルーン群(72例)にランダムに割り付けて長期間追跡するRESILIENT試験が行われた。

 採用基準は、間欠性跛行の症状(Rutherford分類1~3)がある18歳以上の患者で、浅大腿動脈かつ/または近位膝窩動脈にインターベンション可能な病変があり、膝窩動脈下の流出血管が1本以上開存している者とした。

 標的病変に15cmを超えない50%以上の狭窄があることを血管造影で確認した。病変長が合計15cm以下であれば、2カ所以上の標的病変へのインターベンションを許可した。適切なステントサイズが決定できるよう、対照血管径は4~6.5mmとした。

 有効性の主要エンドポイントは、12カ月後のTLR施行率とした。2次エンドポイントは、超音波duplex法による6、12カ月後の1次・2次開存率、急性期の血行力学的成功、6カ月後のTLR施行率、6、12カ月後のTLR施行率および臨床的成功率(インターベンションを追加せずに、治療によりRutherford分類が1以上改善する)、QOL評価などとした。今回は、これらの最長36カ月後の成績である。

 ステントは、ニチノール製自己拡張型ステント(直径6mm、7mm、ステント長40mm、60mm、80mm)を使用した。長い病変には複数のステントを重複させて展開した。後拡張は術者の裁量に任せた。

 ランダム化した206例から死亡例などを除外し、ステント群106例、バルン群55例を36カ月後の評価対象とした。

 ベースライン特性の唯一の群間差は、高血圧合併率がバルン群の方で高かったことだった(P=0.03)。病変特性に群間差は認められなかった。
 

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