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New Engl J Med誌から
無症候性心房頻拍は脳梗塞のリスク上昇と関連
ペースメーカー・ICD装着者の無症候性エピソードとイベント発生を調査

2012/02/02
西村 多寿子=東京大学

 ペースメーカーまたは植込み型除細動器ICD)の装着から間もない患者のデバイス上で検出された無症候性心房頻拍の有無を調べ、その後2.5年間追跡したところ、無症候性のエピソードがあった患者群で臨床的心房細動の発生率が高く、脳梗塞全身性塞栓症のリスクも有意に増加していた。この結果は、New Engl J Med誌1月12日号に掲載された。

 ペースメーカーによる心房頻拍エピソードの検出が心電図上の心房細動とよく相関するという報告がある。北米でのペースメーカーやICDの植え込みは年間40万例に上り、臨床的心房細動はないが、無症候性の心房頻拍が検出される例は多い。またペースメーカー植え込みから4年以内の脳梗塞は5.8%という報告もあるが、デバイスで検出される心房性頻脈性不整脈と脳梗塞の関係は不明である。

 そこでカナダMcMaster大学の医師らは、2004年12月~09年9月に23カ国で、前向きの観察研究とランダム化比較試験を組み合わせたASSERT(Asymptomatic Atrial Fibrillation and Stroke Evaluation in Pacemaker Patients and the Atrial Fibrillation Reduction Atrial Pacing Trial)研究を実施した。

 本研究の目的は、(1)デバイスで検出された無症候性の心房頻拍の有無が、それ以外に心房細動の所見がない患者において脳梗塞のリスク上昇と関連するか、(2)持続的心房オーバードライブペーシングは臨床的心房細動の予防に効果があるかを検討する──ことである。

 対象は65歳以上で、治療を要する高血圧があり、8週間以内にペースメーカーまたはICDの植え込み術を初めて受けた患者とした。ただし、5分以上続く心房細動または心房粗動の既往がある患者、ビタミンK拮抗薬を投与されている患者は除外した。

 登録した患者は2580例(ペースメーカー2451例、ICD129例)で、3カ月間観察し、デバイスに記録された無症候性の心房性頻脈性不整脈(190拍/分以上で6分を超える心房頻拍エピソード)発生の有無を調べた。その後、平均2.5年間の追跡調査を行った。

 主要評価項目は、脳梗塞または全身性塞栓症とした。2次評価項目は、血管死、心筋梗塞、全脳卒中、心不全による入院、心電図で確認された心房性頻脈性不整脈(臨床的心房細動)とした。

 ペースメーカーの患者については、3カ月の観察後に持続的心房オーバードライブペーシングのプログラム施行群と非施行群にランダムに割り付け、主要評価項目を、6分以上続く症候性/無症候性の心房性頻脈性不整脈とした。
 

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