日経メディカルのロゴ画像

Circulation誌から
DES留置後のDAPT期間、半年と1年でTVFに差なし
ただし糖尿病患者では1年継続群で有意減少

2012/01/13
岡本 絵理=メディカルライター

 薬剤溶出ステントDES)留置後に抗血小板薬併用療法DAPT)を6カ月間実施した場合と12カ月間実施した場合で、主要な転帰に差はないことが、韓国で行われたランダム化比較試験で明らかになった。論文は、2011年12月16日付けのCirculation誌オンライン版に掲載された。

 現在、DES留置後は、ステント血栓症を予防するためDAPTを12カ月以上実施するよう推奨されている。だが、DAPT実施期間を12カ月未満としても主要有害心イベントは増えないことを示唆する研究もあり、DAPTが最低限必要とされる期間は分かっていない。

 そこで韓国の研究者らは、エベロリムス溶出ステントとシロリムス溶出ステントの有効性を比較するEXCELLENT試験の被験者を対象として、12カ月間のDAPT実施に対して6カ月間のDAPT実施が非劣性であるかどうかを調べた。

 DES留置前の患者を、1:1の割合で「DAPT6カ月群」(アスピリン100~200mg/日およびクロピドグレル75mg/日を6カ月間投与し、以後アスピリンのみ投与)または「DAPT12カ月間群」(アスピリン100~200mg/日およびクロピドグレル75mg/日を12カ月間投与)にランダムに割り付けた。

 1次エンドポイントはランダム化から12カ月間の標的血管不全(TVF)、すなわち心臓死・心筋梗塞・標的血管血行再建の複合イベントと定義した。2次エンドポイントは、前出の複合イベントを構成する個々のイベントのほか、総死亡、死亡または心筋梗塞、ステント血栓症、大出血などに設定した。

 intention-to-treat解析を行い、log-rank検定を用いて生存曲線を比較した。Cox比例ハザードモデルによりハザード比[HR]および95%信頼区間[95%CI]を推定した。非劣性マージンは過去のデータに基づき4.0パーセンテージポイントに設定した。

 2008年6月から2009年7月までの間に1443例を登録し、722例に対して6カ月間、721例に対して12カ月間、DAPTを実施した。

 DAPT実施期間の中央値は、6カ月群が190日(四分位範囲[IQR]:181~260日)、12カ月群が375日(IQR:364~395日)だった。

 ランダム化から12カ月後の時点で、6カ月群の34例、12カ月群の30例にTVFが発生していた。TVFの累積発生率は、6カ月群が4.8%、12カ月群が4.3%で、12カ月間のDAPTに対する6カ月間のDAPTの非劣性が確認された(非劣性に対するP=0.001)。

 ステント血栓症の発生率は6カ月群が12カ月群より高かったが(0.9% vs. 0.1%、HR:6.02、95%CI:0.72-49.96、P=0.10)、死亡または心筋梗塞のリスクに差はなかった(2.4% vs. 1.9%、HR:1.21、95%CI:0.60-2.47、P=0.58)。6カ月群に発生したステント血栓症は6例で、うち5例はDAPT療法実施中に発生した。残り1例はクロピドグレル中止の89日後に発生した。12カ月群におけるステント血栓症の発生は1例だった。
 

この記事を読んでいる人におすすめ