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JAMA誌から
クロピド投与時にCYP2C19多型を考慮すべきか
システマティックレビューとメタ解析で心血管イベントとの関連認めず

2012/01/11
西村 多寿子=東京大学

 薬物代謝酵素チトクロームP450CYP)2C19の遺伝子多型は、クロピドグレルの血小板凝集抑制作用に関与することが示唆されている。だが、同薬の代謝活性化と臨床アウトカムを扱った研究を抽出してメタ解析を行ったところ、CYP2C19多型と心血管イベントの間に臨床的に有意な関連は認められなかった。この結果は、JAMA誌2011年12月28日号に掲載された。

 米食品医薬品局(FDA)は2009年、クロピドグレル添付文書の黒枠警告(boxed warning)でCYP2C19多型と薬剤効果の関連性について考慮するよう勧告した。一方、米国心臓協会(AHA)と米国心臓学会(ACC)は、CYP2C19の検査を支持するにはエビデンスが不十分であると主張している。

 そこで英国ロンドン大学の遺伝疫学研究グループは、CYP2C19多型とクロピドグレルの反応性に関するエビデンスを評価するため、PubMedとEMBASEの開始から2011年10月までのデータを使用し、システマティックレビューとメタ解析を行った。

 検索語には薬剤名(一般名:clopidogrel、商品名:Plavix、clopiletなど)、薬物代謝酵素および遺伝子名を用い、研究デザイン、遺伝型判定、疾患のアウトカムに関する情報を抽出した。

 薬物代謝酵素活性の低下に関連する変異アレル(*2、*3、*4、*5、*6、*7、*8)を1個以上保有する患者、保有しない患者(*1/*1)、酵素活性を促進する変異アレル(*17)を1個以上保有する患者に分類した。アウトカムが2値の場合は相対リスク(RR)で表し、研究間の異質性はI2統計で評価した。バイアスの有無についても検討した。

 抽出された研究は32件(患者4万2016例)で、急性冠症候群の患者を登録した研究は21件、安定冠動脈疾患患者を含む研究は8件だった。また遺伝型により投与量を調整する研究デザインのランダム化比較試験が6件(うちプラセボ対照試験が4件)で、残りの26件は投与量調整を行わず、主に治療経過を観察する研究デザインだった。

 患者の平均年齢は63歳、女性比率は29%だった。全体のイベント報告数は、心血管疾患(CVD)3545例、ステント血栓症579例、出血1413例だった。
 

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