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Arch Intern Med誌から
CKD合併糖尿病、HbA1c6.5%未満でも死亡率増加
血糖厳格管理に警鐘

2011/12/16
難波 寛子=医師

 腎機能が既に低下している糖尿病DM)患者に対する血糖管理は、どこまで厳格に行うべきか。この疑問に基づきカナダで行われた研究で、慢性腎臓病CKD)合併のDM患者ではHbA1cと総死亡リスクにU字型の関連が認められ、HbA1cが8%を超える場合だけでなく、6.5%未満の場合も総死亡リスクが高くなることが明らかになった。論文はArch Intern Med誌11月28日号に掲載された。

 一般的に、厳格な血糖管理は糖尿病性腎症の発症を遅らせるとされ、ガイドラインにおいても、CKDの有無にかかわらずHbA1c 7%を目標とすると定められている。しかし、多くの臨床試験は腎機能の低下した症例を対象から除外しており、CKDを既に合併している糖尿病患者に対する厳格血糖管理の是非について明確なエビデンスはなかった。

 著者らは、カナダのAlberta Kidney Disease NetworkとAlberta郡の健康保健省のデータを用い、2005年1月1日~06年12月31日に血清クレアチニンが測定された18歳以上の外来患者中、推算糸球体濾過量(eGFR)が15.0~59.9mL/min/1.73m2で、DMと診断されている症例を抽出した。妊娠糖尿病は除外した。

 条件を満たした症例は3万2555例だった。うち436例(1%)は研究開始以前の透析導入や腎移植のため、8041例(25%)はeGFR測定後6カ月以内にHbA1cが測定されなかったため、782例(2%)はデータが不完全だったため除外した。残りの2万3296例を、HbA1c値に基づいて、7%未満群、7~9%群、9%超群の3群に分けた。

 1次アウトカムは総死亡とした。入院日や、心血管イベントによる入院、透析や腎移植の初回施行日を記録した。腎臓病の進展の定義は血清クレアチニン値の倍化とした。

 2万3296例中、2万1155例がステージ3のCKD(eGFR 30.0~59.9 mL/min/1.73m2)、2141例がステージ4のCKD(eGFR 15.0~29.9 mL/min/1.73m2)だった。HbA1cが高い症例は、年齢がより若く、男性が多く、社会経済的状況が低い傾向があった。

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