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JAMA誌から
尿中Na量と心血管イベントとの関連にもJカーブ
尿中K量が増加すると脳卒中リスクが低下

2011/12/09
岡本 絵理=メディカルライター

 心血管リスクの高い患者を対象とした観察研究で、尿中ナトリウムNa)排泄量と心血管イベントとの間にはJ字型の関連が見られ、尿中カリウムK)排泄量の増加による脳卒中リスクの低下も見られることが分かった。結果は、JAMA誌11月23/30日号に掲載された。

 世界保健機関(WHO)が推奨しているNaの1日摂取量は2g未満だが、心血管リスクが最も低くなる摂取量は明らかとなっていない。Kについては、摂取量が多いほど心血管リスクが低下するとの報告がある。

 そこでカナダ・マクマスター大学の研究者らは、心血管リスクが高い患者を対象とした2件の大規模臨床試験のデータを用いて、Na・Kと心血管イベントとの関係をNa・Kの尿中排泄量を指標に調べた。

 薬剤の効果を比較するランダム化対照試験である、ONTARGET(Ongoing Telmisartan Alone and in combination with Ramipril Global Endpoint Trial)およびTRANSCEND(Telmisartan Randomized Assessment Study in ACE Intolerant Subjects With Cardiovascular Disease)の登録者中、ベースラインで早朝空腹時尿検体が採取されていた2万8880例(91.6%)を対象とした。これらの患者の心血管リスクは高かった(55歳以上、心血管疾患または高リスクの糖尿病に罹患)。

 主要評価項目は、心血管死・心筋梗塞・脳卒中・うっ血性心不全(CHF)による入院の複合とした。

 早朝空腹時尿検体からNaとKの1日排泄量を算出。連続変量として5%、35%、65%、95%点をノットとした制限付き3次スプライン関数に適合させた。Na・Kの排泄量と各イベントとの関係を、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

 追跡期間の中央値は56カ月(25~75%点:53~60カ月)。患者全体の平均尿中Na排泄量は4.77g(標準偏差[SD]:1.61)、平均尿中K排泄量は2.19g(SD:0.57)だった。

 主要評価項目は4729例(16.4%)に発生し、そのうち心血管死は2057例、心筋梗塞は1412例、脳卒中は1282例、CHFによる入院は1213例だった。
 

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