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JAMA誌から
CYP2C19多型の血小板活性、クロピド高用量で低下
ヘテロ接合体保有者は標準量の3倍増で非保有者と同等に

2011/12/07
西村 多寿子=東京大学

 クロピドグレルの血小板凝集抑制作用には個体差があることが知られており、薬物代謝酵素チトクロームP450CYP)2C19遺伝子多型の関与が示唆されている。機能欠損アレルCYP2C19*2を保有する安定冠動脈疾患患者に対し、クロピドグレル維持量を通常の3倍(225mg/日)に増やしたところ、ヘテロ接合体保有者では非保有者と同等まで血小板活性が低下したが、ホモ接合体保有者での低下は不十分だった。この結果は、JAMA誌11月23日号に掲載された。

 米国Brigham and Women's Hospitalの医師らを中心とする研究グループは、2010年10月~2011年9月に32施設で、ELEVATE-TIMI 56と名付けられた二重盲検ランダム化比較試験を実施した。 

 対象は、心筋梗塞かつ/または経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行から4週間~6カ月が経過し、臨床的に安定した、クロピドグレル75mg/日を投与中の患者とした。試験中もアスピリン投与(81~325mg/日)は継続した。

 除外基準は、抗凝固薬またはプロトンポンプ阻害薬(PPI)使用、喫煙、ステント血栓症の既往、出血の高リスク、末期腎不全または肝不全、12週以内に処置や入院予定のある場合とした。

 クロピドグレルの投与を4期に分け、1期(14±3日)ごとに用量を変更した。標準維持量75mgから開始し150mgに増量した後、CYP2C19*2の非保有者(non-carrier)に対しては(1)投与順75mg→150mgと(2)150mg→75mgに割付投与した(各用量を2期ずつ)。CYP2C19*2保有者(ヘテロ接合体保有者およびホモ接合体保有者)に対しては、(3)投与順225mg→300mgと(4)300mg→225mgに割付投与した。

 各期の終了時に血小板機能検査を行い、虚血性・出血性イベントやその他の有害事象を確認した。

 主要アウトカムは、VASP(vasodilator-stimulated phosphoprotein)による治療時の血小板反応指数(PRI:platelet reactivity index)と、Verify Nowによる P2Y12検査(PRU:P2Y12 reaction unit)を用い、カットオフ値を230PRU以上とした。

 CYP2C19*2アレルの保有者と非保有者におけるクロピドグレルの用量と血小板活性の関係を評価するために、ランダム効果要因を患者、固定効果要因を用量とし、反復データを分析する混合モデルを使用した。

 登録時に行った血液検査にて、335例中333例の遺伝子型が判明した。患者の平均年齢は60.2歳、男性比率は74.8%、心筋梗塞の既往は57.1%、PCIを受けた患者は97.3%だった。CYP2C19*2アレルの保有者は86例(へテロ接合体80例、ホモ接合体6例)、非保有者は247例だった。保有者と非保有者の患者特性に差はなかった。

 

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