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Lancet誌から
生分解性ポリマーBESの長期成績が明らかに
耐久性ポリマーSESより超遅発性ステント血栓症を低減する可能性

2011/11/22
西村 多寿子=東京大学

 冠動脈疾患または急性冠症候群の患者において、生分解性ポリマーを用いたバイオリムス溶出ステントBES)と、耐久性ポリマーを用いたシロリムス溶出ステントSES)の有効性と安全性を比較したLEADERS(Limus Eluted from a Durable versus Erodable Stent Coating)試験4年後の追跡結果が11月9日、Lancet誌オンライン版に発表された。

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後4年間のフォローアップにより、生分解性ポリマーBESは耐久性ポリマーSESに対して非劣性であり、超遅発性ステント血栓症に関連した心イベントのリスクを低下させる可能性が示された。

 LEADERS試験は、2006年11月~07年5月に、ドイツ、スイスなど欧州7カ国10施設で実施された。慢性安定冠動脈疾患または急性冠症候群で、50%以上の狭窄病変を1つ以上有し、参照血管径が2.25~3.5mmである18歳以上の患者を対象とした。

 バイオリムスは、シロリムスの脂溶性をより高めた類似化合物である。バイオリムスを溶出薬剤とし、6~9カ月で水と二酸化炭素に分解されるポリマーを反管腔側表面に使用したステントが生分解性ポリマーBESである。同試験では、生分解性ポリマーBESとしてBioMatrix Flex(Biosensors社)を、耐久性ポリマーSESとしてCypher SELECT(Cordis社)を使用した。

 1707例2472病変をBES群とSES群にランダムに割り付け、1次エンドポイントを心臓死、心筋梗塞、標的血管の再血行再建術の複合とした。9カ月間追跡した結果は、既に報告されている。本論文は試験開始から4年間の追跡結果をまとめたもので、初年とその後3年間を分けた比較も行った。

 4年間の追跡を完了したのは、BES群に割り付けた857例中824例(96.1%)、SES群の850例中817例(96.1%)だった。両群のベースライン時の患者特性および血管特性は類似していた。

 1次エンドポイントについては、BESはSESに対して非劣性であり、BES群での発生160例(18.7%)に対し、SES群は192例(22.6%)だった(リスク比[RR]:0.81、95%信頼区間[95%CI]:0.66-1.00、非劣性P<0.0001、優越性P=0.050)。
 

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