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Arch Intern Med誌から
QT間隔の短縮・延長は基準範囲内でも死亡のリスクに
8000人あまりを平均13.7年追跡

2011/11/11
岡本 絵理=メディカルライター

 QT間隔の極端な延長・短縮がなく基準範囲内であっても、延長または短縮によって死亡リスクは上昇することが、米国ジョンズ・ホプキンス大学の医師らの研究で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌10月24日号に掲載された。

 QT間隔の極端な延長または短縮は、心室性不整脈や心突然死と関連している。だが、QT間隔が基準範囲内である場合、死亡との関連は明らかになっていなかった。そこで米国ジョンズ・ホプキンス大学の医師らは、第3回米国国民健康栄養調査(NHANES III)のデータを用いて両者の関連を調べることにした。

 40歳以上で12誘導心電図データが得られている被験者を対象とした。QT間隔または心拍数のデータがない人、QRS持続時間が120ミリ秒以上の人、生死が不明な人を除外し、男女7828例(男性3703例、女性4125例)について解析した。

 年齢・人種・性別・RR間隔で補正したQT間隔(QTrras)と、心拍数の影響をBazettの式により補正したQT間隔(QTb)について解析した。

 死亡エンドポイントは、総死亡、心血管疾患(CVD)による死亡、冠動脈疾患(CHD)による死亡、CVD以外による死亡とし、2006年12月31日まで追跡した。

 対象者をQTrassまたはQTbに基づき、5、20、40、60、80、95%点で層別化し、Cox比例ハザードモデルを用いて、第3五分位(40~60%点)を基準として死亡エンドポイントの多変量補正ハザード比(HR)を算出した。

 対象者の平均年齢は56.5歳。QTrrasの平均値±標準偏差は406.1±18.8ミリ秒、QTbは429.3±23.3ミリ秒だった。

 追跡期間は平均13.7年で、総死亡は2291件、CVDによる死亡は911件、CHDによる死亡は515件、CVD以外による死亡は1380件だった。

 QTrassに基づいて対象者を層別化すると、第3五分位(QTrassが401ミリ秒以上410ミリ秒未満)に対する95%点以上(QTrassが439ミリ秒以上)のHRは、総死亡2.03(95%信頼区間[95%CI]:1.46-2.81)、CVDによる死亡2.55(95%CI:1.59-4.09)、CHDによる死亡1.63(95%CI:0.96-2.75)、CVD以外による死亡1.65(95%CI:1.16-2.35)だった。

 また、第3五分位に対する5%点以下(QTrassが377ミリ秒未満)のHRは、総死亡1.39(95%CI:1.02-1.88)、CVDによる死亡1.35(95%CI:0.77-2.36)、CHDによる死亡1.02(95%CI:0.44-2.38)、CVD以外の死亡1.42(95%CI:0.97-2.08)だった。

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