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J Am Coll Cardiol誌から
英国でのTAVI 1年生存率78.6%、2年後も同等
全施行例の追跡結果、デバイスによる死亡率の差は見られず

2011/11/04
難波 寛子=医師

 リアルワールドにおける経カテーテル大動脈弁留置術TAVI)の術後1年間の生存率は78.6%、2年間では73.7%であり、死亡の多くは術後1年以内に発生していること、デバイスによる死亡率の差は見られないことなどが明らかになった。U.K.TAVI(United Kingdom Transcatheter Aortic Valve Implantation)レジストリーの登録症例を2年間追跡した結果で、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に10月19日、掲載された。

 英国で初めてTAVIが行われた2007年1月以降、予後に関して短期の観察結果は多く報告されているものの、中長期の予後に関するデータは少なかった。著者らは、イングランドとウェールズでTAVIを受けた全症例を登録しているU.K.TAVI レジストリーのデータを用いて、2007年1月から2009年12月までにTAVIを受けた全症例の予後を追跡した。

 期間中TAVIを行ったのは25施設だった。これらの施設で使用されたデバイスはMedtronic CoreValve system(2007年5月にEUで販売承認)とEdwards SAPIEN(経大腿アプローチ製品は2007年11月、経心尖アプローチ製品は2008年1月に承認)。

 TAVI適応の可能性がある症例は、診察、血管造影、エコーにより評価した。適応の決定は、心臓血管外科医とインターベンション医に加え、他の専門医とコメディカルを含む専門チームが行った。

 多くの施設は、デバイスを1種類のみ使用していた。特定のデバイスにより適している患者について、その施設がそのデバイスを扱っていない場合は、別の施設に紹介した。

 25施設は、The Central Cardiac Audit Database(CCAD)と呼ばれるデータベースに、TAVIを行った全症例のデータを登録した。死亡の確認はNational Health Service Central Registerのデータを用いて2010年12月の時点で行った。

 観察期間の分布は11カ月から46カ月だった。

 870症例における877回のTAVIに関するデータが登録された。2度目のTAVIがvale-in-valve法で行われた症例が7例あったが、生存解析を行う際は、2度目のTAVIは対象から外した。

 TAVI施行数は、2007年は66回、2008年は273回、2009年には538回と増加していた。施設当たりの手術数の中央値は24回(範囲:5~114回)だった。冠動脈疾患(CAD)の合併が410例(48%)で見られた。CADの定義は1本以上の主要冠動脈における50%以上の狭窄とした。

 69%で経大腿アプローチが用いられていた。SAPIENの留置の半分以上が経心尖アプローチで行われた。一方、CoreValveの留置は90%近くで経大腿アプローチだった。末梢動脈疾患(PAD)、CAD、心臓手術の既往、腎機能障害、New York Heart Association(NYHA)クラスIIIまたはIVのいずれかに当てはまる症例は、経大腿以外のアプローチ例で有意に多かった。Logistic EuroSCOREの中央値は18.5%で、経大腿以外のアプローチ群(21.4%)と比較して経大腿アプローチ群(17.1%)で低かった(P<0.0001)。

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