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Circulation誌から
リバロキサバンはプロトロンビン複合体製剤で中和可能
ダビガトランは同製剤では中和できず、健常者対象の比較試験結果

2011/10/21
難波 寛子=医師

 血液凝固第Xa因子阻害薬リバロキサバンの効果は、プロトロンビン複合体製剤(PCC)の投与により急速に中和されることが、オランダで行われたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験で確認された。直接トロンビン阻害薬であるダビガトランはPCCにより中和されなかった。論文はCirculation誌10月4日号に掲載された。

 リバロキサバンとダビガトランは、ワルファリンと比較して食物や薬物との相互作用が少なく頻回のモニタリングや用量調節を必要としないことから、安全で有効な抗凝固薬として期待されている。一方、大出血などの緊急時に使用できる有効な中和薬については、十分なデータがなかった。

 本試験の対象は、健康な成人男性12例。最初の2日半でリバロキサバンまたはダビガトランを内服し、3日目に最終の内服を行って入院、PCCまたはプラセボ(同量の生理食塩水)の注射を受けた。注射の24時間後まで血液採取を行った。被験者はさらに、11日のウォッシュアウト期間の後、最初の内服とは違う種類の抗凝固薬を内服して同様のプロトコルで評価を受けた。

 ダビガトランは、静脈血栓塞栓症(VTE)や心房細動治療の用量と同様に、150mgのカプセル製剤を1日2回、2日半内服とした。リバロキサバンは20mg錠を1日2回、2日半内服とした。これはVTEの初期治療量15mgよりも多いが、15mgまたは5mg錠が入手不可能であったため本試験では1回内服量を20mgとした。

 PCCはヒト血漿由来の非活性化製剤であるCofact(Sanquin Blood Supply、オランダ)を50U/kg投与した。CofactはII、VII、IX、X因子とともに、プロテインCとS、アンチトロンビンを含む。

 採血のタイミングは、ベースライン、抗凝固療法3日目のPCC(または生食)注射前、注射後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、24時間とした。

 被験者の平均年齢は24±4歳で、体重指数(BMI)は23±3kg/m2だった。

 大出血または臨床的に有意な出血、および重大な有害事象は発生しなかった。リバロキサバン群で2例、ダビガトラン群で2例が静脈カテーテルの除去後に血腫を生じた。また、ダビガトラン群で2例に歯肉出血、1例に鼻出血(1分後に自然に止血した)を認め、1例で剃刀による切傷後の出血が通常より長く続いた。

 1例が、8時間以上絶食中に採血された血漿で脂肪血症が認められ、新規に糖尿病と診断された。追加の検査では中性脂肪と血糖が持続的に高値だった。糖尿病と中性脂肪高値は凝固系の検査に影響しなかったため、この1例は対象から除外しなかった。

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