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JAMA誌から
クロピドグレル投与後の血小板活性は長期予後と関連
PCI後のACS患者コホートを2年間追跡、残存活性が高いとハイリスク

2011/10/06
西村 多寿子=東京大学

 経皮的冠動脈インターベンションPCI)を受けた急性冠症候群ACS)患者を対象に、クロピドグレル負荷用量投与後の血小板活性を調べて2年間追跡したところ、残存血小板活性の高い患者の方が低い患者よりも虚血性イベントのリスクが高かった。だが、活性に応じた用量増加や薬剤変更によるイベント抑制効果は認められなかった。この結果は、JAMA誌9月21日号に掲載された。

 RECLOSE2-ACS(Responsiveness to Clopidogrel and Stent Thrombosis 2-ACS)と名付けられた前向きコホート研究は、イタリア・Careggi病院で実施された。2005年4月~2009年4月に同病院でPCIを受けたACS患者の連続症例を対象に、残存血小板活性が虚血性イベントの独立した予測因子になるかを検討した。

 ACSの定義は、ST変化のある不安定狭心症、非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)、およびST上昇型心筋梗塞(STEMI)とし、患者の臨床症状や冠動脈の解剖に関係なく適格とした。

 全患者にアスピリン325mg、クロピドグレル600mgを投与した。維持量はアスピリン325mg/日、クロピドグレル75mg/日で、少なくとも6カ月間投与した。

 残存血小板活性は、アデノシン2リン酸(ADP)を作動薬とし、光透過性を用いた測定装置APACT4(Helena Laboratories社)で検査した。クロピドグレル600mg投与から12~18時間後の血液サンプルで、残存する血小板凝集活性が70%以上の場合を、残存血小板活性が高い(HRPR;high residual platelet reactivity)と定義した。

 登録患者1789例のうちHRPRは248例(14%)で、残りの1541例は残存する血小板活性が低いLRPR(low residual platelet reactivity)に分類された。

 HRPRの患者に対しては、クロピドグレル維持量を増量(150~300mg/日)、またはチクロピジン(500~1000mg/日)に変更し、血小板凝集70%未満を目標とした。

 主要評価項目は、心臓死、心筋梗塞、緊急の冠再血行再建術、脳卒中の複合とした。2次評価項目は、ステント血栓症および主要評価項目を構成する各項目とした。

 追跡期間の中央値は2.8年(四分位範囲[IQR]:2.3-3.7)だった。HRPRの患者は、LRPRの患者よりも平均年齢が高く(71.7歳 vs. 68.6歳)、糖尿病、高コレステロール血症、心筋梗塞既往、左室駆出率40%未満の患者が多かった。ただしSTEMIはLRPRの患者に多かった(33% vs. 48%)。

 残存血小板凝集活性については、HRPR群の中央値が76%(IQR:72-81)に対し、LRPR群は41%(IQR:24-54)だった。HRPRの患者に対して抗血小板療法を強化したが、患者の38%は依然として血小板凝集活性70%以上だった。
 

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