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N Engl J Med誌から
apixaban、有効性・安全性ともワルファリンより優れる
心房細動患者の脳卒中・大出血ともに有意に低下、ARISTOTLE試験

2011/09/15
西村 多寿子=東京大学

 1つ以上の脳卒中危険因子を持つ心房細動患者を対象として、選択的第Xa因子阻害薬apixabanワルファリンを比較したARISTOTLE試験の結果が、N Engl J Med誌オンライン版で8月28日に発表された。

 ARISTOTLE(Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation)試験は、39カ国1034施設で実施された二重盲検・ダブルダミー法によるランダム化比較試験。2006年12月から2010年4月の間に1万8201例を登録した。

 有効性の主要評価項目は、脳卒中(虚血性・出血性・特定不能)または全身性塞栓症の発生。主な2次評価項目は総死亡。安全性の主要評価項目は、国際血栓止血学会(ISTH)基準による大出血とした。

 主な評価項目は段階的に解析することが事前に定められていたことから、研究グループはapixabanのワルファリンに対する、(1)有効性の主要評価項目についての非劣性、(2)同評価項目についての優越性、(3)大出血に関する優越性、(4)総死亡に関する優越性、を順次検証した。

 対象は、登録時に心房細動/粗動、または登録前の12カ月間に2週間以上の間隔で2回以上の心房細動/粗動が心電図で記録され、脳卒中危険因子を1つ以上有する者とした。脳卒中危険因子は、75歳以上、脳卒中・一過性脳虚血発作(TIA)・全身性塞栓症の既往、3カ月以内の症候性心不全もしくは左室駆出率40%以下、糖尿病、薬物治療を要する高血圧とした。

 主な除外基準は、可逆性の原因による心房細動、中等度以上の僧帽弁狭窄、心房細動以外で抗凝固療法が必要な場合(人工弁など)、7日以内の脳卒中、アスピリン(>165mg/日)あるいはアスピリン+クロピドグレルの投与が必要な場合、重症腎機能障害(血清クレアチニン[Scr]>2.5mg/dLあるいは推定クレアチニン・クリアランス[Ccr]<25mL/分)とした。

 ワルファリンあるいはその他のビタミンK拮抗薬を連続して30日以上投与されていなければ、ワルファリン非投与とみなした。治験実施施設の医師に対し、ワルファリン非投与例を40%以上登録することを推奨した。

 apixiabanは5mgの1日2回投与とした。ただし、80歳以上、体重60kg以下、Scr1.5mg/dL以上の条件のうち、2つ以上該当する患者は2.5mgを1日2回とした。ワルファリンは、国際標準化比(INR)が2.0~3.0となるように用量調整した。

 INRは、Rosendaal methodを用いて、治療域内時間を算出した。INR管理を主眼とする毎月の来院に加えて、3カ月ごとに臨床アウトカムと有害事象を評価した。

 ワルファリン投与状況と施設のある地域により層化し、有効性の解析には、ランダム化したすべての患者を含むintention-to-treat解析を行った。出血の解析には、試験薬の投与を少なくとも1回は受けた患者で、初回投与から最終投与の2日後までに発生したイベントを対象とするon-treatment解析を用いた。

 対象患者は、apixaban群(9120例)とワルファリン群(9081例)に割り付けられた。追跡期間の中央値は1.8年で、年齢の中央値は70歳、女性比率は35.3%、ワルファリン群のINR治療域内時間は、中央値66.0%、平均62.2%だった。

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