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Circulation誌から
アセチルシステインに造影剤腎症の予防効果なし
2000例超を対象としたACT試験の結果が論文に

2011/09/08
山川 里香=医学記者

 造影剤腎症予防におけるアセチルシステインの効果を、2000例超の二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で検討した結果、アセチルシステインの腎保護効果はプラセボと変わらなかったことが示された。この結果は、Circulation誌オンライン版に8月22日、公開された。

 造影剤腎症に対するアセチルシステインの予防効果について検証する試験は複数行われているが、試験結果は一致していない。そこで著者らは、2000例を超える二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で検討した。

 2008年9月~2010年7月に、ブラジルの46施設で合計2308例を登録し、アセチルシステイン群(1172例)またはプラセボ群(1136例)に無作為に割り付けた。両群のベースライン特性は十分に均衡が取れていた(両群共に平均約68歳、女性比率は38.0%、39.3%)。

 対象としたのは、血管造影を予定しており、かつ造影剤腎症のリスク因子(70歳超、安定時血清クレアチニン(Cr)値が1.5mg/dL超、糖尿病、鬱血性心不全、左室駆出率45%未満、低血圧)のうち1つ以上を有する者とした。透析中の患者や、非ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者が初回血管造影を受ける場合(処置前に6時間以上の補液が不可能だったため)などは除外した。

 試験は、造影の前後に2回ずつ、アセチルシステイン1200mg/回またはプラセボを12時間おきに経口投与した。服薬コンプライアンスは良好だった。

 造影の前後に生理食塩水(0.9%または0.45%)、炭酸水素ナトリウム(0.9%)による補液を行った。

 1次評価項目は、造影剤腎症(造影48~96時間後の血清Cr値がベースラインより25%上昇と定義)とした。また2次評価項目として、周術期の血清Cr値の倍増と血清Cr値の0.5mg/dL以上の上昇、30日目の死亡、透析導入、心血管死亡率などとした。

 リスク因子のうち最も多かったのは糖尿病(60.4%)、次いで70歳超(52.1%)だった。推定クレアチニン・クリアランスは、対象者の約半数で60mL/分未満だった(サンプルの35.4%は急性冠症候群エピソードの際に登録された)。

 最も多く使用された造影剤は、低浸透圧造影剤で74.7%を占めた。次いで高浸透圧、等浸透圧の造影剤の順だった。対象者の約半数は、100mL以上の注入量だった。

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