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N Engl J Med誌から
早期中止のAPPRAISE-2、試験データが論文に
ACSに対する選択的Xa阻害薬apixaban投与で出血増加

2011/08/23
西村多寿子=東京大学

 選択的Xa阻害薬apixaban急性冠症候群ACS)に対する2次予防を目的とした第3相臨床試験「APPRAISE-2」のデータが、N Engl J Med誌オンライン版7月24日号に掲載された。

 APPRAISE-2試験は、39カ国858施設で実施されたランダム化・二重盲検・プラセボ対照比較試験。2009年3月に開始され、ACS発症早期の患者1万800例の登録を予定していた。しかし、臨床的に重要な出血頻度の増加を理由に、独立データ評価委員会が同試験の中止を勧告したことを受けて、2010年11月18日に開発中止が発表された(関連記事)。

 同試験で対象となったのは、ACS(心筋梗塞[ST上昇型・非ST上昇型を含む]、不安定狭心症)の発症から7日以内で、臨床的に安定しており、ACSの治療としてアスピリンまたはアスピリン+P2Y12受容体阻害薬を投与中の患者のうち、危険因子を2つ以上を有する患者。危険因子は、65歳以上、糖尿病、5年以内の心筋梗塞の既往、脳血管疾患、末梢血管疾患、臨床的な心不全または左室駆出率40%未満、腎機能障害 (クレアチニン・クリアランス[CCr]60mL/分未満)、ACSイベント後に血行再建術を行っていない、とした。

 患者はapixaban(5mg、1日2回)群とプラセボ群にランダムに割り付けられた。ただし、CCrが40mL/分未満の患者は、apixaban 2.5mgの1日2回投与とした。

 有効性の主要評価項目は心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合とした。また安全性の主要評価項目は大出血とし、TIMI(Thrombolysis in Miocardial Infarction)の定義に従った。

 有効性の分析については、ランダム化から新規登録中止日までをintention-to-treat期間とし、安全性については、実際の投与開始日から最終投与日の2日後までを分析対象期間とした。

 Cox比例ハザードモデルを用いて分析した。さらに年齢、性別、ベースラインのACSイベント、抗血小板療法、血行再建術の有無、apixabanの投与量、危険因子の数や併存疾患によって分けたサブグループ解析も行った。

 対象となった7392例の平均年齢(中央値)は67歳、女性比率は32%だった。半数を超える患者が危険因子を3つ以上持っていた。

 ランダム化は、ACSイベントから中央値で6日後(四分位範囲[IQR]:4-7)、非経口抗血栓療法の中止から2日後(IQR:2-4)に行われた。追跡期間の中央値はapixaban群240日(IQR:132-352)に対し、プラセボ群242日(IQR:131-352)だった。

 ACSイベントの内訳は、ST上昇を伴う心筋梗塞40%、ST上昇を伴わない心筋梗塞42%、不安定狭心症18%だった。ランダム化の時点でアスピリンを投与されていた患者は97%。アスピリンとP2Y12受容体阻害薬(主にクロピドグレル)を投与されていた患者は81%だった。

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