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Am J Med誌から
CAD合併高血圧患者のNSAIDs常用は心血管高リスク
非常用者と比べ47%のリスク増、INVEST試験のpost-hoc解析

2011/07/28
西村 多寿子=東京大学

 降圧薬の臨床試験参加中の患者に非ステロイド系抗炎症薬NSAIDs)使用の有無を確認し、心血管イベントや血圧との関係を調べたところ、NSAIDs常用者は非常用者に比べ心血管リスクが増加することが分かった。この結果は、Am J Med誌7月号に掲載された。

 慢性的な疼痛の治療にはNSAIDsが長期間投与される。冠動脈疾患と高血圧を有する患者の中には慢性疼痛を抱えている者が少なくないが、NSAIDsの常用による有害作用についてはデータが不足している。

 そこで米国フロリダ大学の研究チームは、NSAIDsの安全性を検討することを目的として、INVEST試験(International Verapamil Trandolapril Study)のデータを利用したpost-hoc解析を行った。

 同試験は、14カ国で実施されたランダム化比較試験。冠動脈疾患(CAD)を合併する50歳以上の高血圧患者を対象とし、Ca拮抗薬とβ遮断薬の心血管イベント抑制効果を比較した。最初の半年間は6週ごと、その後は年2回の経過観察を行った。NSAIDsとアスピリンの使用の有無は、患者来院時に治験担当医が確認した。

 今回の観察研究では、NSAIDsの使用状況により患者を2群に分けた。常用者(chronic users)は、ベースライン時と来院ごとにNSAIDs使用を報告した者とし、非常用者(non-chronic users)はNSAIDsの使用経験が全くない者、もしくは数回の使用を報告した者と定義した。

 主要複合アウトカムは、総死亡、非致死的心筋梗塞または非致死的脳卒中の初発とした。患者記録、病院記録、死亡登録でアウトカムを確認した。Cox比例ハザードモデルを用いて、常用者と非常用者のリスクを比較した。

 NSAIDs常用者は882例、非常用者は2万1694例(使用経験なし1万4408例、断続的使用7286例)。平均追跡期間は2.7年(6万970人・年)、患者の平均来院回数は8.7回だった。

 平均年齢は常用者群65.3歳に対し非常用者群66.1歳(P=0.02)、女性比率は66.9%対51.5%(P<0.0001)、糖尿病は33.1%対28.2%(P=0.0014)、末梢動脈疾患の既往は26.5%対11.4%(P<0.001)だった。

 NSAIDs常用者の方が非常用者より、アスピリンの使用が少なかった(46.9% vs. 57.1%)。消化管出血は常用者群0%に対し、非常用者群0.8%だった。血圧は収縮期・拡張期とも、常用者群の方がベースラインと追跡期間を通してやや低かった。
 

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