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N Engl J Med誌から
糖尿病合併CKDへのbardoxolone、前途有望
eGFRの改善・維持に効果あり

2011/07/19
西村 多寿子=東京大学

 2型糖尿病を合併した慢性腎臓病CKD)の治療薬として注目されているbardoxolone methylの第II相臨床試験の結果が、N Engl J Med誌6月24日オンライン版に発表された。投与開始から24週目の推定糸球体濾過量(eGFR)は、プラセボ投与に比べて有意に改善し、投与終了の52週目まで改善した状態が維持された。

 糖尿病を合併したCKDの進行には、炎症と酸化ストレスが関与している。経口の抗酸化炎症調節薬bardoxolone methylは、腎機能の維持に重要な役割を担っているKeap1-Nrf2系を活性化する。その構造と働きはシクロペンテノン型プロスタグランジンと類似するとされ、kB経路の抑制を介して抗炎症作用を発現する。

 BEAM試験(52-Week Bardoxolone Methyl Treatment: Renal Function in CKD/Type 2 Diabetes)と名付けられた本試験には、米国の43施設が参加した。すでに報告されている投与開始から8週間のeGFR改善の結果を受けて、異なる用量のbardoxolone投与による長期的作用を評価することを目的とした。

 糖尿病を合併した中等度から重度の成人CKD患者573例にスクリーングを実施し、eGFRが20~45mL/分/1.73m2の患者を試験に組み入れた。227例を1:1:1:1の割合で、bardoxolone 25mg群、75mg群、150mg群、プラセボ群にランダムに割り付けた。4週ごとに最長20週目まで用量調整を行い、その時点での用量を52週目まで継続した。

 主要評価項目は、ベースラインから24週目のeGFRの変化とし、bardoxolon各群とプラセボ群を比較した。副次評価項目は52週目の変化とした。

 4群の患者特性に大きな差はなかった。平均年齢は67歳、男性比率は56%、体重指数(BMI)は35.4、ACE阻害薬/アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)投与中の患者は98%、スタチンは83%だった。

 ベースライン時の平均eGFRは32.4±6.mL/分/1.73m2。尿中アルブミン・クレアチニン比(ACR)が30mg/g・Cr未満の正常アルブミン尿の患者は全体の37%、ACRが30~300mg/g・Crの微量アルブミン尿は29%、ACRが300mg/g・Cr超である顕性アルブミン尿は34%だった。

 20週目までに割り付けられた群の用量に達し、52週目にその用量を服用していた患者は、25mg群の81%、75mg群の42%、150mg群の25%だった。

 bardoxolon投与の3群は、開始から4週間以内にeGFRがそれぞれ有意に改善し、12週目にピークに達した。その後52週目までのeGFRは比較的安定していた。

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