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JAMA誌から
高用量スタチンは中用量に比べ糖尿病リスクが増加
ただし心血管リスク低下の方が大幅、5RCTのメタ解析

2011/07/07
西村 多寿子=東京大学

 高用量と中用量のスタチンを1年以上投与した5つの大規模ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析から、高用量群で糖尿病の発症リスクが高まることが判明した。この結果は、JAMA誌6月22日号に掲載された。

 高用量のスタチン治療は、中用量に比べて心血管イベントを減らすことが明らかになってきた。だが最近の13試験のメタ解析では、標準的なスタチン治療は、プラセボと比較して糖尿病発症をわずかに増加させていた。高用量のレジメンが増加傾向にある中で、スタチンの長期投与による用量依存性リスクを算出し、高リスク集団の有無を把握しておくことは重要である。

 そこで英国グラスゴー大学の研究者らは、1996年1月~2011年3月に、MEDLINE、EMBASE、Cochraneデータベースに掲載され、高用量と中用量のスタチン投与群における心血管アウトカムの発生を比較した成人対象のRCTを抽出した。

 検索語を「statin」 と「HMG CoA reductase inhibitor」とし、タイトルとキーワードにスタチンの名称があり、キーワードに「intensive」または「aggressive」が含まれる研究を調査した。登録患者1000例以上で、平均追跡期間が両群同一で1年以上のRCTをメタ解析の対象とした。

 糖尿病の新規発症、主要心血管イベントに加え、年齢、体重指数(BMI)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)、中性脂肪、空腹時血糖の情報を収集し、糖尿病リスクとの関連を検討した。公表されていないデータは、各試験の研究者から入手した。

 糖尿病の新規発症と見なすのは、試験期間中に(1)新たに糖尿病と診断された有害事象報告があった場合、(2)血糖降下薬の投与開始、(3)空腹時血糖126mg/dL以上――とした。

 主要心血管イベントは、心血管死、非致死的心筋梗塞または脳卒中、冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈インターベンションの複合とした。

 高用量 vs. 中用量のスタチン投与と糖尿病および心血管イベント発生の関係を検討するため、オッズ比(OR)と95%信頼区間(95%CI)を算出した。またI2統計を用いて試験間の異質性を評価した。

 文献検索の結果、メタ解析の対象となったのは5試験(PROVE IT-TIMIAto ZTNTIDEALSEARCH)だった。ベースライン時に糖尿病のない患者は3万2752例で、平均追跡期間は4.9年だった。
 

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