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Circulation誌から
心房細動の発症は腎機能低下と強く関連
米国ARIC研究コホート1万5000例を10年間観察した結果

2011/06/23
難波 寛子=医師

 透析を要する末期腎不全患者が一般集団と比較して心房細動AF)を生じやすいことや、慢性腎臓病CKD)患者ではAFの罹患率が高いことが報告されているが、AFと腎機能の関連を調べた3つの前向き研究の結果は一致していない。

 6月6日、Circulation誌オンライン版に掲載された、米国住民約1万5000例を対象とした10年間に及ぶ観察研究から、腎機能アルブミン尿はAF発症と強く関連していることが分かった。

 今回の研究は、動脈硬化リスクに関する米国の地域コホート研究であるARIC(Atherosclerotic Risk in Communities)の参加者を対象に行った。

 1987~89年に、ARIC研究では45~64歳の男女1万5792例を米国内4地域から登録した。参加者は約3年ごとに追加の検査を受けた。最終の検査は96~98年に行われた。

 生存者の検査受診率は93%、86%、80%だった。加えて、ARIC研究の参加者は初回受診以降、毎年電話でフォローアップされた(回答率90%以上)。シスタチンCと尿中アルブミンは96~98年(ARIC visit4)に集められたサンプルで測定されたので、本研究ではこの時点の受診をベースラインとした。

 血清クレアチニンは、visit4で集められたサンプルで測定した。血清シスタチンCは、visit4で集められた凍結サンプルを用いて2008年に測定した。クレアチニンに基づく推算糸球体濾過率(eGFRcreat)は、CKD疫学共同研究による推算式から算出した。シスタチンCに基づくeGFR(eGFRcys)も、同様に算出した。

 主解析では、visit4以降に生じたAFを対象とした。visit4以前にAFが確認された場合は、既に「AFあり」として解析から除外した。

 visit4以降のAF発症は、病院の退院時疾病コードと死亡診断書により確認した。ARIC研究参加者の入院は、毎年の電話と地元病院の退院調査により07年末まで確認した。退院時の診断コードに、国際疾病分類9版(ICD-9)臨床修正版の診断コード427.31または427.32が挙げられている場合、「AFあり」とした。

 心臓手術目的で入院中のAFは除外した。また、死因にAFが挙げられている場合も、「AFあり」とした。本解析での99%以上のAFが、退院時診断コードにより確認された。

 visit4以前のAFは、入院および死亡診断書に加えて、ARIC研究のための受診時の心電図により確認した。

 ARIC研究のための受診のたびに、喫煙、飲酒の状況と理学所見を確認し、血液検査を行った。

 本研究の対象では、高齢者はより腎機能が悪く、アルブミン・クレアチニン比(ACR)が高かった。CRP高値、心血管疾患の既往、糖尿病、高血圧はCKDマーカーと関連していた。
 

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