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Lancet誌から
新規抗血小板薬terutrobanはアスピリンに及ばず
2剤を比較したPERFORM試験、脳卒中の再発予防で非劣性示せず

2011/06/08
西村 多寿子=東京大学

 脳卒中の2次予防効果が期待された新規抗血小板薬terutrobanは、アスピリンに及ばなかった。2剤を比較したPERFORM試験の早期中止を受けて、スポンサーは進行中の試験も含めてterutrobanの開発中止を決定した。同試験の結果は5月25日、Lancet誌オンライン版に掲載された。

 terutrobanは、選択的トロンボキサン・プロスタグランジン受容体拮抗薬。動物実験およびヒトを対象とした複数の試験で、アスピリンと同等の抗血小板作用が示され、加えて、血管内皮機能の向上やプラークサイズの縮小など多面的な効果が期待されていた。

 PERFORM (Prevention of cerebrovascular and cardiovascular Events of ischemic origin with teRutroban in patients with a history oF ischemic stroke or tRansient ischaeMic attack) は、多施設・ランダム化・二重盲検・並行群間比較試験。46カ国802施設で実施され、terutroban群(30mg/日)とアスピリン群に(100mg/日)に患者を割り付けた。

 対象は、虚血性脳卒中または網膜動脈虚血性イベントを48時間~3カ月の間に発症、あるいは8日以内に一過性脳虚血発作(TIA)を発症した55歳以上の男女とした。ただし、認知機能障害または認知症、経口抗凝固薬を要する心原性塞栓症患者は除外した。

 主要エンドポイントは、致死的・非致死的虚血性脳卒中、致死的・非致死的心筋梗塞、そのほかの血管死(出血死は除く)の複合とした。2次エンドポイントには、全脳卒中、全心筋梗塞、血管死の複合、およびエンドポイントそれぞれの個別の発生、総死亡、認知機能低下、認知症の発症が含まれた。

 2009年10月12日、データ安全性委員会はterutrobanがアスピリンに比べて有効である可能性は低いとして同試験の中止を勧告した。この勧告は、実行委員会で同年10月23日に承認され、治験実施機関では09年11月~10年3月に、最終受診を患者に呼びかけた。

 有効性分析の対象患者は1万9100例(terutroban群9556例、アスピリン群9544例)。平均年齢(±標準偏差)は67.2歳(±7.9)、男性比率は63%、白人比率は84%、平均追跡期間は28.3カ月(±7.7)だった。

 前治療としてアスピリンが投与されていた患者は、terutroban群87%に対しアスピリン群86%。ジピリダモールの投与は9%対10%、クロピドグレルは 7%対8%、ACE阻害薬は55%対54%、スタチンは両群とも58%だった。
 

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