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Arch Intern Med誌から
無症状者に冠動脈CTスクリーニングは必要か
薬物介入や2次検査率は増えるがイベントは低率、施行による利益なし

2011/06/03
難波 寛子=医師

 無症状の集団に対する冠動脈CTCCTA)のスクリーニング効果を検討したところ、20%以上で異常が指摘され、スタチンアスピリンの処方や2次検査を多く受けていたが、18カ月の時点でのイベント発生率に差はなかった。この結果は5月23日、Arch Intern Med誌オンライン版に掲載された。

 CCTAはその侵襲の少なさから、有症者の評価だけでなく無症状のハイリスク集団のスクリーニングに活用されてきた。しかし、CCTAによるスクリーニングがその後の医師や患者の行動に与える影響は、明らかではなかった。

 そこで米国と韓国の研究グループが、韓国ソウル大学Bundang病院(SNUBH)で行われたCCTAスクリーニング研究の参加者を対象とした、マッチドコホート研究を実施した。

 本研究のCCTA施行群は、SNUBHで2005年12月~2006年5月にCCTAを受けた韓国人1074例とした。そのうち74例は心筋梗塞(MI)の既往や年齢などの理由で除外され、最終的なCCTA群は無症状の1000例となった。

 対照群として、ほぼ同時期にSNUBHで同様のスクリーニングに参加した同数(1000例)の無症状症例をマッチさせた。具体的には、SNUBHのプログラムに参加したがCCTAを選ばなかった6717例から抽出した。

 基本的な患者背景については、初回受診時の問診のほか、SNUBH Health Promotionセンターのデータベースから情報を得た。MI、狭心症、高血圧、脳卒中、糖尿病の既往、喫煙歴と冠疾患および脳卒中の家族歴を確認した。現在の薬剤内服状況も記録した。体重、身長、血圧を最初の受診時に測定した。

 総コレステロール、中性脂肪、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、空腹時血糖、糖化ヘモグロビン、血清クレアチニンを12時間の絶食後に測定した。CCTAは64列マルチスライスCTを用いて行った。撮影と同時に心電図を記録した。
 

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