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Circ J 誌から
RE-LY試験の日本人患者成績、試験全体と差なし
同試験に登録されたわが国49施設326例の解析結果

2011/05/30
西村 多寿子=東京大学

 心房細動(AF)患者におけるダビガトランの有効性と安全性をワルファリンと比較したRE-LY(Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulant Therapy)試験の日本人患者の解析結果が、Circ J誌4月号に発表された。

 日本人コホートは全体コホートと比べて脳卒中の既往が多く、心筋梗塞の既往が少なかった。だが、ダビガトランの脳卒中または全身性塞栓症の予防効果はワルファリンとほぼ同等で、出血リスクについても日本人と全体の結果は類似していた。

 RE-LY試験はPROBE(Prospective Randomized Open Blinded Endpoint)法で実施された多施設国際共同試験(44カ国、967施設、1万8113例)。ダビガトラン110mgと150mgは盲検で1日2回投与、ワルファリンはオープンラベルの投与とし、INRは2.0~3.0に調整した(ただし70歳以上の日本人患者は2.0~2.6)。

 対象は、AFの診断を受け、(1)脳卒中、一過性脳虚血発作または全身性塞栓症、(2)左室機能不全、(3)75歳以上(または65歳以上で糖尿病・冠動脈疾患・高血圧を合併している)――のうち1つ以上を有する患者とした。

 重篤な弁膜症、過去14日間の脳卒中あるいは過去6カ月間の重篤な脳卒中、出血リスクが高い、クレアチニン・クリアランスが30mL/分未満、活動性肝疾患の患者、妊娠中の女性は除外した。

 有効性のエンドポイントは、脳卒中(虚血性・出血性を問わず)または全身性塞栓症の初発とした。安全性のエンドポイントは出血イベント(大出血・小出血)、肝機能障害、そのほかの有害事象とした。

 日本からは49施設が参加し、2007年3月~2009年3月に実施された。患者326例を3群(ダビガトラン110mg×2/日群:107例、同150mg×2/日群:111例、ワルファリン群:108例)に割り付けた。

 日本人患者の追跡期間(中央値)は1.3年。平均年齢71.2歳、男性比率76.7%。日本人コホートのINRは、全体コホートよりやや低かった(日本人:2.0未満 36.8%、2.0~3.0 57.6%、3.0超 5.6%、全体:22.2%、64.4%、13.5%)。

 日本人の患者特性は全体と大差なく、CHADS2スコアもほぼ同等だった。だが脳卒中、全身性塞栓症あるいは一過性脳虚血発作の既往は、日本人の方が全体より多く(33.1% vs. 21.8%)、逆に心筋梗塞の既往は日本人の方が少なかった(5.5% vs. 16.6%)。
 

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