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Circulation誌から
NSAIDsはMI既往者の心血管リスクを高める
短期投与やCOX2阻害薬以外でも上昇、デンマークの観察研究

2011/05/26
山川 里香=医学記者

 デンマークの全国規模の観察研究から、初回心筋梗塞MI)患者が退院後に非ステロイド抗炎症薬NSAIDs)を使用した場合、投与期間やCOX2選択性にかかわらず心血管リスクが上昇することが分かった。ジクロフェナクのリスクは、市場から回収された選択的COX2阻害薬ロフェコキシブよりも高かった。この結果はCirculation誌5月9日号に掲載された。

 現行のガイドラインでは心血管疾患患者に対するNSAIDs投与を規制しているが、投与が避けられない場合は投与期間をできるだけ短くするよう提言している。しかし、投与期間に従って個々のNSAIDsにどの程度リスクがあるのか、安全な投与期間が存在するかはほとんど分かっていない。

 そこでデンマーク・コペンハーゲン大学病院の研究チームは、1997年1月1日~2006年12月31日に初回MIで入院した、30歳以上の患者を母集団とする観察研究を行った。

 解析対象としたのは初回MIで入院した合計10万2138例中、生存して退院した8万3675例(81.9%)。平均68±13.0歳、63%が男性だった。退院後のNSAIDs処方に対し、1件以上請求したMI既往者は3万5405例(42.3%)だった。

 対象者の併存疾患は、不整脈(12.2%)、脳血管疾患(6.0%)、合併症を伴う糖尿病(5.1%)など。併用薬は、β遮断薬(67.3%)、スタチン(53.1%)、ACE阻害薬(42.6%)、ループ利尿薬(42.0%)、血糖降下薬(12.5%)などだった。

 死亡と、死亡およびMI再発の1000人・年当たりの調整前発生率を、NSAIDs全体および個々のNSAIDsについて算出した。投与期間を1週ごとに14週まで分割し、時間依存性Cox比例ハザードモデルを用いて、リスクの時間変化を解析した。

 広く投与されていたのは、非選択的NSAIDsではイブプロフェン(23.2%)とジクロフェナク(13.4%)、選択的COX2阻害薬ではロフェコキシブ(4.7%)とセレコキシブ(4.8%)だった。

 観察期間中に発生した死亡およびMIは3万5257例(42.1%)、死亡は2万9234例(35.0%)だった。
 

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